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━ CIAJ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

   「QKM e−ラーニングサービスをリニューアルしました ! 」




                      2014年 5月30日発行 第61号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CIAJ ━
≪ 第61号 目次 ≫

 ・はじめに
 ・QKM e−ラーニングサービスのリニューアル
 ・2013年度QMS委員会 総会/特別講演会/懇親会 開催のご案内
 ・ISO 9001関連の最新動向
 ・TL 9000コーナー「TL 9000セミナー開催と測定法計算例の改訂について」
 ・知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
 ・編集後記

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●はじめに

こんにちは。新緑の季節となり爽やかな気候の今日この頃ですが,会員の皆様
をとりまく状況はいかがでしょうか。

さて,ISO 9001の次期改正作業は2015年9月発行に向け着々と進んでおります。
今月には国際規格原案が回付され,何がどう変更になるのか具体的な姿が見え
てきました。QMS委員会では品質マネジメントシステム国内対策委員会の
エキスパートによる「ISO 9001次期改定動向説明」の場を設定いたし
ました。是非,この機会に改正内容の理解を深めて戴ければと思います。

また,サービス開始から10年を経過した「QKM e−ラーニングサービス」
は,皆様にはご不便をおかけいたしましたが,コンテンツの見やすさ,読みや
すさから省力化への運用の工夫まで内容を一新し,予定通り昨日リニューアル
オープンいたしました。これまで以上のご利用・ご活用をお願いいたします。

詳細は,それぞれの関連記事をお読みください。

それでは,メルマガ61号をお届けいたします。


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●QKM e−ラーニングサービスのリニューアル
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5月23日にご案内しましたとおり,QKM e−ラーニングサービスが5月29日
からリニューアルオープンいたしました。

今回の移行に伴い,コンテンツの見やすさ,読みやすさの改善に加え,受講者
希望者への電子メールによる「受講登録完了通知」,コース修了時に「電子修
了証」のweb上での発行など,サービス運営の効率化も図っております。

また,QMS基礎講座4プログラム[品質管理概論,統計的方法,管理図(見
方と使い方),検査業務の進め方]については,昨今の品質を取り巻く環境の
変化,品質保証業務の機能・役割の変化,品質管理分野の規格改正などを取り
込み全面的にリニューアルし,時代にマッチしたコンテンツとなっております。
既に受講された方にも新たな気付きをご提供できる内容となっています。

社員教育の一貫として,是非,この機会にQKM e−ラーニングサービスを
ご活用いただきますようお願いいたします。

 ◆サービス提供コンテンツ:

  Ⅰ.ISO 9001:2008規格解釈コース(1プログラム) 受講期間60日

  Ⅱ.QMS基礎講座(4プログラム)  受講期間:各プログラム30日
     1.品質管理概論
     2.統計的方法
     3.管理図(見方と使い方)
     4.検査業務の進め方

 ◆受講料:CIAJ QMS委員会会員企業は無料です。

QKM e−ラーニングサービス,または,各コースの概要については以下
のホームページをご参照ください。
  http://www.ciaj.or.jp/qms/7.html


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●2013年度QMS委員会 総会/特別講演会/懇親会 開催のご案内
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 既にご案内しておりますが,2013年度QMS委員会総会/特別講演会/懇親
会を開催いたします。

 特別講演会では,QMS委員会会員にとって,今一番の関心事である次期
ISO 9001改定について品質マネジメントシステム規格国内委員会の山田エキス
パートをお招きしてご講演をして戴きます。
 超ご多忙な中,ISO 9001の何がどのように変わるのかを最新の情報をもって
ご講演戴くことにしております。

 また,既にISO 9001改定内容の検討をされ,会員の皆様が抱えている疑問に
も応えて戴くため,今回は質疑応答の時間を30分設けて対応いたします。

 会員企業各社のQMSの見直しや次期ISO 9001改定に向けた準備には絶好の
機会となると確信しております。多数のご参加をお待ち申し上げております。


1.開催年月日:2014年 6月18日(水)

2.開催場所:情報通信ネットワーク産業協会 会議室B〜E
  [住所]東京都港区浜松町2丁目2番12号 JEI浜松町ビル3階
   http://www.ciaj.or.jp/jp/ciaj/annai/

3.総 会:13:30〜14:30
  QMS委員会事業報告他 (会員企業のみ参加可)

4.総会特別講演会:15:00〜17:00
  演題 「ISO 9001次期改定動向説明」
  [講師]山田 秀 様
     ・品質マネジメントシステム規格国内委員会 副委員長
      ISO 9001エキスパート
     ・筑波大学 大学院 ビジネスサイエンス系 教授

5.懇親会:17:15〜
  講師にもご参加戴き,会員企業各社間のコミュニケーションがとること
  ができる絶好の機会です。奮ってご参加下さい。

申込み期限は6/6(金)となっております。参加希望の方は,急ぎ,QMS委員
会委員を通じて申込みをお願い致します。


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●ISO 9001関連の最新動向
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さる5月15日に品質マネジメントシステム規格国内委員会(TC176)が開催され,
3月に開催されたパリ会議((SC1/WG1(ISO 9000関連),SC2/WG24(ISO 9001関連))
の報告,DIS 9000/DIS 9001の発行等について審議が行われました。
以下に関連する情報の報告をいたします。

1) SC1(基本と用語) :
 ・今回の会議では,CD 9000に対する多数の指摘に対する審議が行われた。
 ・基本(Fundamental)では,ポルト会議で9つのコンセプトにすることが
  確定していたが多すぎるので5つのコンセプト(+2つの小コンセプト)
  にする構造変更が行われた。新しいコンセプトは以下の通り。

   ・Interested parties
   ・Context of an organization
   ・Quality
   ・Quality management system
   ・Management Support (Awareness, Communication)

 ・DIS 9000では,現時点では5つのコンセプトの妥当性・論理性は不明瞭で
  あり,QMSモデルのパートの図や,フレームや観点・構成についても
  十分な検討がされておらず多数のコメントが出されることが想定される。

2) SC2(品質システム): 
 ・WG24(ISO 9001改正);
  ・今回の会議では,合意形成を重視するためグループ別討論でなく全体
   討論で行われた。
  ・全体の方針確認後,エキスパートのgeneral comment全件とエキスパート
   のspecific commentのうち箇条8.4.2までの検討を完了。箇条8.4.3以降
   のspecific commentは主要なものの対応方針を決定させた。
  ・パリ会議後,3月末までコンビナー,事務局による改訂作業が行われ,
   4月に数名のWG24エキスパートとコンビナー,事務局による改訂作業が行
   われ,DIS 9001が発行された。
  ・TS 9002(IS0 9001:2015適用の手引)に関するNWIPの投票は,賛成で可決
   され,2015年9月発行を目標に進められることになった。

3) ISO/DIS 9001改正動向説明会の開催
  日本規格協会では,ISO 9001の改正の経緯とISO/DIS 9001の内容について,
  国際会議に参加されている日本代表のエキスパートを講師にお招きして,
  6月より7月にかけて国内4箇所で説明会を開催致します。
  以下のURLにてご確認下さい。

   http://www.jsa.or.jp/standard/meeting_02.asp?fn=iso9001dis.htm


また,ISO 9001の改正に関する今後のスケジュールとして以下の予定が示され
ました。

 2014年 3月 WG24のパリ会議開催;DIS作成
 2014年 4月 ISO/DIS 9000回付 (DIS 9000投票期間:7/10〜10/10)
 2014年 5月 ISO/DIS 9001回付 (DIS 9001投票期間:7/10〜10/10)
 2014年 5月〜11月 DISに基づくJIS原案の作成【国内】
 2014年11月 ISO/TC176総会をテルアビブで開催,FDIS作成
 2014年11月 国内委員会によるJIS原案の確認・調整【国内】
 2015年 7月 FDIS投票開始 
 2015年 7月 FDISに基づくJIS原案の確認【国内】
 2015年 9月 IS発行
 2015年11月 JISC専門委員会における審議(IS版)【国内】
 2015年12月 JIS公示【国内】


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●TL 9000コーナー「TL 9000セミナー開催と測定法計算例の改訂について」
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1.TL 9000セミナーの開催

 本年もCIAJとクエストフォーラム日本ハブ共催でのTL 9000セミナーを7月に
 開催します。 TL 9000認証取得を目指す団体・組織の方,既取得の組織内の
 新人教育・異動者教育にお勧めします。

 ・日時:2014年7月1日(火)14:00〜17:00
 ・場所:一般社団法人 情報通信産業ネットワーク協会(CIAJ)会議室
 ・講師:内田 勲氏
     クエストフォーラム公認訓練機関 ㈱テクノファ講師,
     TL 9000 Master Trainer
 ・セミナー内容要旨
     ①TL 9000規格概要
     ②TL 9000要求事項(R5.5),測定法(R5.0)
 ・参加費:無料

 詳細については下記URLに掲載されていますのでご確認ください。
 http://questforum.org/japanhub/TL9000Seminar_2014_07_01.pdf


2.TL 9000測定法計算例の改訂

  TL 9000測定法ハンドブックの各章末尾の「事例」セクションでは,測定法
 の適用事例(計算例)がクエストフォーラム米国本部のホームページ
 (http://tl9000.org/links.html)に掲載されていることを示しています。

  計算例では,具体的な内容と数値を用いて,実際の計算方法をわかりやす
 く説明しています。また,計算例には,TL 9000測定法ハンドブック R5.0で
 追加された,以下の新しい測定項目も含まれています。

 ・MTRS(平均サービス復旧時間)
 ・GSI(グローバルサービス影響度)
 ・BRR(ベーシック返品率)
 ・CCRR(最終顧客苦情報告率)

  クエストフォーラム日本ハブでは,これら改訂版計算例の翻訳を行って
 います。完成次第,下記ホームページに掲載する予定です。
 http://questforum.org/japanhub/examples.html

  測定法に対する理解を深めるために,これらの計算例を是非ご活用下さい。


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●知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
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前回は,坂本竜馬の「船中八策」にならい,「QMS八策」なる物を考えてみまし
た。企業活動とは実際のところ商品(サービスを含む)の提供にとどまらず,
品質,環境,ガバナンス,社会的責任などさまざまな側面の集合体であり,商
品だけを捉え企業活動を判断するものではありません。しかも何かの価値を高
めようとすれば,何らかの価値を減じてしまうというトレードオフが現場では
良く起きます。そこで今回は,このトレードオフに焦点をあて“あきらめてし
まったもの”の価値について考えて見たいと思います。

私たちはビジネスだけでなく個人的な生活においても,大なり小なりトレード
オフを日々行っています。例えば,“家族旅行したいのだけれど,仕事の都合
で日程がとれない”などと意思決定することによりトレードオフしています。
この「選択されなかったもの」とは,経済学的には「機会費用」(opportunity
 cost)と言い,例えば, A社と B社の採用試験に合格し A社に就職した場合,
 A社で得られる年俸は収益ですが,選択しなかった B社の年俸は機会費用とな
ります。しかし機会費用は必ずしも金銭的なものでなくともよく,健康,喜び,
信頼,尊敬,満足,やりがいなども含まれます。

さて,このように選択しなかったことから生じる機会費用を,私たちは日常で
は意識することはなく,選択したことに集中し目標達成に向かい努力するもの
です。それでは,機会費用は選んでいない事柄なので何も影響を現状に与えて
いないのかと見れば,意外と影響は多いものです。例えば,“学生の時にもう
少し勉強しておけば・・・”とか,“あの時,あれをやっていれば・・・”な
ど,選択されなかったものに対し後悔したりしています。このように機会費用
とはだいぶ時間がたってから支払わされていることがあるものです。その多く
の原因は環境変化でしょう。逆に,あの時にあの選択をしたので今の良い状態
があると思える方は,機会費用を最小限にとどめた方だと言えるでしょう。
機会費用とは,おかれた環境や状況に変化に応じて変わる価値観と連動してい
ます。

さて話を QMSにもどし, QMSの機会費用とは何なのかを考えて見ましょう。何
らかの手順やルールを決めシステムとして運用することは QMSの基本です。そ
のおかげで,能力や知識のバラつきを抑制し,“その都度マネジメント”を避
け,業務を見える化し,安定化させ,そして商品と業務の質を均一化させると
ともに生産性の向上を目指すことができる機会を与えてくれます。実際のとこ
ろ,近代工業社会は分業と改善を重ね目標管理とプロセスアプローチで大成功
してきたと思います。

ところが昨今の知識社会になると,手順やルールを守ることだけではうまくい
かないことがよく出てきます。手順やルールをかたくなに守ることに慣れた人
々は,決められていないことや予想以上の自由度を与えられると混乱するかも
しれません。すでに“思考停止”に近い状況の人々は,知識社会に対しうまく
対応できないかもしれません。このような状況を仮に QMSが少しでも生み出し
てきたとすれば企業は何らかの機会費用を支払うことになります。要は,バラ
ンス良く QMSを使いこんでいるかです。

私自身は,経験や知識を手順やルールとして定めることは,過去の知識や経験
を追体験させてくれるものであり,また多様な人々が協働して活動する組織活
動には,不可欠な要素だと思っています。仮にビジネス環境をふくめさまざま
な外部環境が変化したとしても,有益でない手順やルールを廃止・修正し新た
なものを追加することにより,その時に合わせて成長できるものだと思ってい
ます。

一方で,形骸化した QMSの中で主体的に動ける人々への思考停止を促進させた
り排除してしまったりすると,受身的な人々を多数育成してしまい知識社会で
は機会費用になるのかもしれません。要は安定性や効率化と自由度や創造性と
のバランスの問題として機会費用が見えてくるものなので,企業目的とプロセ
スの種類によるバランスが必要です。

さて,今回は“あきらめたもの”という視点からトレードオフとそれに伴う機
会費用について,簡単に考えてみました。特定できるリスクと違い機会費用は
企業文化や働きがいなど,その影響力が広範囲であり,また長期的なものなの
で顕在化しづらいので,日々の意思決定やリスクマネジメントとは少し違う見
方をした方が良いかと思います。


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●編集後記
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日本女子サッカーがアジア杯で初優勝,バドミントン男子が世界一と,うれし
いニュースが続いています。この勢いは,きっと6月のワールドカップにも良
い影響を与えると思います。また,サッカーでは,フェアプレー賞も受賞しま
した。とかく勝負の世界では,勝ち負けが優先される中,実力もマナーもトッ
プであることを世界に見せたことは,日本の若い人にも良い影響を与えるでし
ょう。
さて,少し早いですが,2020年東京オリンピックでは,膨大なデータトラフィ
ック量が想定されています。世界をリードするインフラ整備などで,ICT業
界が活気付くことも期待したいものです。

最後までお読みいただき,ありがとうございました。


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──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
    QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕)
* 皆様のご意見・ご要望をどしどしお寄せください!
 qmsmelg@ciaj.or.jp
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