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   「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

    「2013年,快調に飛ばします!」


                      2013年 2月1日発行 第53号

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≪ 第53号 目次 ≫

 ・はじめに
 ・「QMSサロン」報告と予告
 ・ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
 ・TL 9000コーナー「TL 9000に関する最近の動向」
 ・知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
 ・編集後記

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●はじめに
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早いもので,今年も一ヶ月が経ちましたが、皆様の今年の抱負はどのようなも
のでしょうか。
私は,元旦に,久しぶりに山へ出かけ初日の出を拝むことができました。天気
もよく明るい気分になりました。この調子で,景気も,ICT業界も上向き傾
向が続き,本年が,皆様にとっても実り多いものであることを祈念します。
QMS委員会では,本年も会員企業の皆様への情報発信や講演会,セミナ開催
を継続し,事業や日常業務へ貢献できるよう活動していきます。皆様のご参加
をお願いします。

それでは,メルマガ53号をお届けいたします。


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●「QMSサロン」報告と予告
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第8回「QMSサロン」を12月19日(水)に開催いたしました。
 QMS委員会の山本フェロー(MBA, Ph.D)をファシリテーターに迎え,
「知識活用型企業のQMSについて考える」〜動機づけ要因としてのQMSの
ありかた〜をテーマに意見交換が行われました。

今回のQMSサロンは,先日,QMS委員会主催で住友スリーエム社のCTC
(カスタマーテクニカルセンター)を見学した後のアンケート結果を受けて,
3M社のイノベーション,アイディア創出についてもっと知りたいとの声に応
える内容となりました。

知識活用型企業の代表である3M社の事例研究を行い,現場重視,顧客の抱え
る問題を解決する,過去の知識がアイディア(商品)に結びつく人材育成や科
学的アプローチ(科学的品質管理),アイディアを支援する企業風土など,様
々な角度から事例を通し,意見交換を行いました。

その中でも特に印象的な話は,「人の行動と動機づけ」についてで,CTC見
学のとき,15%ルールについてのお話がありましたが,これは,文書化されて
いないルールであるということが興味深い点でした。15%ルールとは自立的な
活動を企業が支援するという意思の表示であり, 文書にすると,16%では駄目
か?など意味ない議論が生じさせないためあえて成文化しないということです。
この成文化しないルールをどう信じさせるかは,本気でCEOが言うかどうか
など,誰が言うかが重要との事です。また,このような風土があることを社内
報,成功事例などを本として発行したり人から言わせるなど間接的に社内に知
らしめる工夫をしています。これが企業文化・カルチャーであり,表彰などを
とおし15%ルールがあると人々に確信させる仕組みで成り立っていることを知
りました。このように文書化してはいけないものもあり, 文書化していないル
ールは社内外へ意図して広く認知しているのは驚きでした。

もうひとつ,イノベーション企業だからこその考え方を学びました。
「価値ある不服従」と「規律ある自由」です。
QMSはルール化したものを順守する前提で構築されていますので,推進サイ
ドからすると,単なる不服従を行われてはたまりませんが,3M社では,イノ
ベーションには主体的に活動できる人材が不可欠であると信じており, 「価値
ある不服従」も組織として許容する体質を持っています。イノベーションを起
こすために全社員に社員に自由を与えているのかといえばそうではなく,与え
られた業務を社員個人が管理でき,実確実に行されていれば,それ以外の主体
的活動の自由を認めるという考え方です。

今回,3M社の事例研究を通じで,イノベーション企業とは,実は,緻密なマ
ネジメントの上に成り立っているのだと関心した次第です。

さて,QMSサロンは,今回の第 8回を持って一旦終了するということは,サ
ロンの場で申し上げた通りです。

2013年度からは,視点 QMSに限らず少し話題の範囲を広げ取り組んで行く予定
です。現在ISO 9001要求事項の見直しが進められており, その中で今後のQM
Sに求められているものの検討が進んでおりますが, その内容をふまえ, QM
Sサロンのおさらいを兼ね今後のQMSに求められるものを検討する予定です。

<次回のお知らせ>

第9回「QMSサロン」は2月22日(金)に開催致します。

 テーマ:今後のQMSを考える
     〜ISO 9001改訂検討項目とQMSサロンの中間まとめ〜
 日時 :2013年2月22日(金) 14:00-17:00
 会場 :東京・JEI浜松町ビル3階 CIAJ会議室


「QMSサロン」は,会員間コミュニケーションを取ったり,リレーションを
築くにも最適な場です。新たな参加者を大歓迎します。

皆様のご参加をお待ちしております。


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●ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
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さる1月15日に品質マネジメントシステム規格国内委員会(TC176)が開催され,
昨年11月に開催された ISO/TC176サンクトベテルブルク総会の報告が行われま
した。以下にその概要を示します。

1) SC1(基本と用語) : ISO 9000の改正作業の進捗報告,およびISO 9001と
            の同時発行の決定。

2) SC2(品質システム): ISOの共通テンプレートであるAnnex SL(付属書SL)
            に従いISO 9001要求事項のラフな見直しが行われ,
            そのラフ・ドラフトの検討が開始されました。
            今回の改訂のためのインプットは,ISOが行った
            ユーザーサーベイの結果,Future concepts,2006
            年の規格見直の際に取り入れられなかったコメント
            類,Preliminary draft に対する各国のコメント類
            であり,考慮すべき内容は広範囲に及ぶことが予想
            されます。
            今後の改訂動向に注目する必要があります。

3) SC3(支援技術)  : ISO 10004(顧客満足の監視及び測定)の発行,
            ISO 10008(電子商取引)のFDIS化。


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●TL 9000コーナー「 TL 9000に関する最近の動向 」
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 TL 9000に関する最近の動向を紹介いたします。

(1)TL 9000 ハンドブックの発行計画

 要求事項,測定法ハンドブックの発行計画は次の通りです。

 ・要求事項ハンドブック  Release5.5 2013年6月予定

 ・測定法ハンドブック   Release6.0 2014年6月予定

(2)NGN,クラウド,ワイヤレスに関する検討状況

 クエストフォーラムでは検討サブチームを構成し,新分野の調査検討を
 行っています。

 NGNサブチームはクラウドコンピューティング,出荷前データ測定,
 ソフトウエア/アプリケーション,持続可能性,パフォーマンス,
 セキュリティ,およびワイヤレスの分野に関する検討を開始しています。

 クラウド及びワイヤレスサブチームは製品分類を見直し,新規の測定法を
 模索しています。

 これらの検討結果は,将来のTL 9000ハンドブックに反映される見込みです。


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●知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
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このコーナーを担当し 6年目の半ばになり,その時間経過の速さに驚かされま
す。書き出し当時は企業内の知的資産運用を視座に QMSに関連する話題を気楽
にお話しさせていただこうと計画もなくその都度の関心事を書き込んできまし
た。一方で,通信業界ではスマートフォンやタブレット端末の普及に見るよう
に,一段とビジネス環境が変化し,ますます情報・知識や技能・経験など知的
資産の効果的活用の重要性を実感する次第です。

アルビン・トフラーはその著書「第三の波」(1980)で情報社会の到来と脱産業
社会の出現を予想していましたが,それは今や現実のものとなり企業活動のあ
り方にも大きな影響を与えていると言えるでしょう。トフラーは「21世紀の文
盲は,読み書きできない人ではなく,学んだことを忘れ,再学習できない人々
を示すようになるだろう」と暗示しましたが,昨今の企業の成長と衰退の現状
を見るにつけこの指摘は的を射た指摘であったと思います。

さらに近年では優れた製品の提供だけにとどまらず企業の不祥事が報告される
たび環境対応,社会責任,企業統治への関心が高まっており,企業の持続的成長
の基盤の一つとして QMSの果たす役割もさらなる充実することが求められてい
ると言えるでしょう。

一方で,ISO 9001に準じた QMSの現状に目を転じれば,その成果が見えてこな
い“アウトプットマターズ”の指摘や,QMSの形骸化への懸念など,うまく企
業実態に QMSが対応できていないのではないかと懸念されます。このような背
景の中,現在ISO 9001規格の次期改訂への見直しが現在進められていますが,
企業内外の知識活用にもう少し目を向けてもらいたいものです。ご存じのよう
に QMSでは業務を行うために必要な人々の力量(Competence)の確保が求めら
れていますが,力量の維持だけでは急速に変化するビジネス環境に対応するこ
とは難しいのではないかと個人的に懸念しています。これまで高度成長下で切
磋琢磨してきた国内企業ではものづくりの知識や経験は他国に比べても十分に
蓄積されてきており,次の成長を目指すには目まぐるしく変化するビジネス環
境に素早く対応するための組織的学習能力と知識循環能力が企業の将来に大き
な影響を与えるのではと見ています。プロセス的に成熟した QMSでもこの点は
配慮すべきものとでしょう。

さて,現在進行中のISO 9001改訂作業では多様な視点で見直しが行われると思
われますが,その改訂でインプットとして考慮されているFuture concepts の
具体的内容は以下の通りです。

★規格改定に取り込むことが決定している事項;
 1) Inclusion of Risk Base Thinking Approach(リスクへのアプローチ)
 2) Focus on Product Conformance(製品適合)
 3) Clarification and differentiation of the multiple customers of
   an organization(多様な顧客の明確化と区別)
 4) Maintenance of infrastructure(設備の維持)
 5) Process management(プロセス マネジメント)
 6) Competence (力量)
 7) Structure of QMS and Relationship with MSS Work
   ( QMS構造とMSS活動との関連 )

★状況によって組み込む事項;
 Communication,
 Time,
 Speed,
 Agility and related Aspects,
 Quality Management Principles,
 Alignment with Business Management Practices,
 Life cycle management,
 Plan,
 Source,
 Deliver,
 Process Innovation,
 Knowledge Management,
 Impact of Technology and Changes in information Management

このように改訂に向け考慮されつつある要素はさまざまですが,成熟したと
思われている QMSをさらに充実させるには配慮すべきものと見えます。

そこで次回の QMSサロンでは,上述したインプット項目をベースに,将来の
QMS に配慮すべき内容について参加者の皆さんと一緒に見ていきたいと思い
ます。


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●編集後記
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寒い日々がつづいています。全国的にインフルエンザが流行してきたようです。
私も年明け早々にインフルエンザにかかり,会社を3日間ほど休みました。
何年か前にもインフルエンザにかかったことがあるのですが,A 型インフルエ
ンザはその原因となるウィルスの抗原性が小さく変化しながら毎年世界中の人
の間で流行しているようで,必ずしも1度かかっても免疫ができて大丈夫とはな
らないようです。うがい,マスクをするなど日頃の予防対策が大切ですね。

今年は例年以上に寒いと思っていたら,1 月14日には太平洋側の広い範囲で降
雪がありました。首都圏では東京都心で 8cm,横浜で14cmの積雪を観測するな
ど 7年ぶりの大雪となり,交通機関が大きく乱れたり,凍結による転倒事故な
ども相次いだようです。

また道路も積雪や凍結による自動車トラブルなど大きな影響が出ました。雪が
積もったら車で出かけない,またはチェーンを装着するなど自分のためにも,
人に迷惑をかけないためにもしっかりした対応が必要です。私も使うことはな
いだろうと思いつつも早速チェーンを購入しました。

インフルエンザ,降雪と事象は異なりますが,いずれも発生し得ることを想定
して,自分のことは自分で守る,対処できるように普段の心構え,備えをしっ
かりしておくことが重要ですね。
これは品質管理の観点からも同じことが言えると思います。

まだまだこれから寒い日が続きます。自分で備えが必要なことがないか再度考
え,この冬を乗り切っていきましょう。

最後までお読み戴き,ありがとうございました。


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──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
    QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕)
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