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   「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

        特別講演会ではQMSの有効性に迫ります!

                      2012年 5月31日発行 第49号

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≪ 第49号 目次 ≫

 ・はじめに
 ・QMS 委員会総会 特別講演会のお知らせ
 ・「QMSサロン」報告と予告
 ・ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
 ・TL 9000コーナー  「クエストフォーラム関連情報」
 ・知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
 ・編集後記

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●はじめに
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先日は,雲空の間から金環日食が顔を出し多くの方々が空を見上げたのではな
いでしょうか。私の職場でも多くの社員が普段より早く出社して,ビルの窓か
らリングの輝く日食を観て感動していました。

この時期,暑さ寒さもちょうど良い気候なので,晴れた日の運動には最適な季
節ではないでしょうか。一方温暖化の影響で大気が不安定な日も多く,激しい
雷雨や最近では竜巻の発生など,十分注意したいものです。

QMS委員会では,昨年度より始めた「QMSサロン」も今年度も継続して開
催する計画です。本メルマガの“知識活用型企業への道「QMSにおける知的
資産運用への取り組み」”をお読み戴き,奮ってのご参加をお待ちしておりま
す。
また,6月6日には総会特別講演会を開催致します。是非ご参加下さい。

それでは,メルマガ49号をお届けいたします。


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●QMS委員会総会 特別講演会のお知らせ
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「2011年度 QMS委員会総会」を,6月6日(水)に開催致します。
 (皆様には各社委員を通じて既にご案内を差し上げております。)

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 開催日:2012年 6月 6日(水)
 場 所:情報通信ネットワーク産業協会 会議室B〜E(懇親会:会議室I)
     東京都港区浜松町2丁目2番12号 秀和第一浜松町ビル3階
 総 会    13:30 〜 14:30
 特別講演会  14:50 〜 17:10
 懇親会    17:40 〜
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恒例の総会特別講演会は,QMSの有効性にスポットをあてた講演を予定して
います。


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●「QMSサロン」報告と予告
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第4回「QMSサロン」を4月13日(金)に開催いたしました。
QMS委員会の山本フェロー(MBA, Ph.D)をファシリテーターに迎え,
「QMSにおけるリスク・マネジメント」をテーマに意見交換が行われました。

今回は15名の参加で,リスク・マネジメントに興味を持ち参加された初参加の
方も3名いらっしゃいました。

今回はQMSが本質的にもつリスクついて解説があり,その点を参加者の皆さん
でで考えました。

QMSはプロセス間の因果関係の中で機能し過去に発生した不具合は是正処置に
より再発防止ができQMSは次第にPDCAをまわすことにより成熟することができ
ると見られています。
この暗黙の前提に対し,参加者からは,“フィードバック機能があるので成熟
できる”,“是正処置だけではQMSは成熟しない”,“予防処置がリスクマネ
ジメントだと思う”など,活発な意見が交わされました。
なかには,QMSをやっていること自体がリスクだという意見もあり,場が和む
一場面もありました。

この中でも個人的に興味深かった内容の一つは,「出来事は連続しており,こ
れを利用するためには期間を区切り切り抜いて認識するもので,どのように出
来事を切り抜き認識するかで見方がかわってしまうものであり,その切り抜き
(認識)により事実がかわってしまうリスクがある。」という点でした。
QMSで文書化したものは意図をもって完了した出来事だと言うことで出来事へ
の認識(信念)は人により変わり,そこから導かれる将来への見通し,教訓も,
その指示により変化するということでした。

過去の出来事への見方で,間違った将来に導くリスクが生じる可能性があり,
QMSの中で手順化,基準化,ルール化により過去とつながっているであると
理解でき,ルール化することは,活動する人々による因果(行為者因果)の
バラツキを防ぐ要となり同一性を保つためであると解説されました。

これらを聴き,面倒だと思っていたルール化も,行為者因果のバラツキを防ぐ
ためだと理解すると,ルール化の重みに妙に説得力がありました。


<次回のお知らせ>

第5回「QMSサロン」は6月13日(水)に開催予定です。

 テーマは,以下の通りです。
「QMSを機能させる要素を考える」
 − ナレッジ・マネジメントに見るイネーブリングの応用 −

 日時:2012年6月13日(水) 14:00 〜 17:00
 会場:東京・JEI浜松町ビル3階 CIAJ会議室


「QMSサロン」は,会員間コミュニケーションを取ったり,リレーションを
築くにも最適な場です。新たな参加者を大歓迎します。

皆様のご参加をお待ちしております。


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●ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
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5月8日 平成24年度第1回 品質マネジメントシステム規格国内委員会(TC176)
が開催されましたので,その中から主なトピックスをお知らせします。
 1) 委員長が飯塚委員(東京大学)から中條委員(中央大学)に交代され
    ました。
 2) 今年度から本格的に開始されるISO 9001の改正に対応し,ISO 9001対
    応WGが設置されました。
 3) ISO 9000(品質マネジメントシステムの基本及び品質マネジメントの
    原則に対する手引き)の改正に対し投票が行われ賛成45カ国,
    棄権 4カ国,反対なしで可決されました。発行予定は2015年になって
    います。
 4) その他,ISO 17021-3(QMS監査要求事項),ISO 19011(MS監査),
    ISO 10008(電子商取引)などの状況報告が行われました。


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●TL9000コーナー 「クエストフォーラム関連情報」
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クエストフォーラム関連の情報についてご紹介します。

・ベストプラクティス会議
 4月3日〜5日,インドのデリーでペストプラクティス会議が開催されました。
 (参加者136名,参加企業49社)
 参加者はインド中心でしたが,参加企業にはChina Telecomもあり,活発な
 議論が展開されました。インドハブからは,「Managed Service」に向けて
 新たな規格及び測定法を検討してほしいという要望があり,今後の検討事項
 となりました。

 オープニングでは,AT&Tのティム・ハーデン氏が,モバイルの増加に対応し
 たクラウドサービス,セキュリティ強化について講演しました。2016年には,
 全データトラフィックの70%がモバイル映像になり,モバイル市場は18倍に
 膨れ上がると予想しています。AT&Tでは,ベンダー各社の評価にマトリック
 スを使用し,TL 9000を共通定義として活用していることも強調しました。

 今後の開催予定:EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)は,マドリード
         (スペイン)で6月11日〜13日
        :Americas (北米/中米/南米)は,シカゴ(アメリカ)で
         9月10日〜12日

 ベストプラクティス会議の案内詳細は,クエストフォーラムのウェブページ:
 http://www.questforum.org/ をご参照ください。

・CEO(最高経営責任者)のポジション新設
 2012年9月,フレイザー・パジャック氏がCEOに就任します。
 サービスプロバイダ(Telus(カナダ))で経験豊富であり,ネットワーク
 信頼性と次世代ネットワークに向けて,クエストフォーラムを率います。

・TL 9000測定法ハンドブックR5.0
 測定法ハンドブックが,R4.5からR5.0に改版されます。スケジュールは
 以下の予定です。

 2012年5月 最終確認
    6月 発行
 2013年7月 測定法ハンドブックR5.0 必須化


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●知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
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ISO 9001品質マネジメントシステム規格の改正作業も本格的となり,また QMS
認証審査における有効性審査の導入も次第に具体的になってきました。これら
の背景には QMSの形骸化の懸念,有益な結果を生み出していないのではとする
アウトプットマターズなど企業側の声が活かされたものと見えます。

一方で,規格への認証審査は規格要求事項への適合状態を確認することが第一
義の目的であり,企業の本質的課題を抽出することは二義的なねらいでありま
す。また外部審査員の経験範囲や審査の時間制約およびコンサルタントを禁止
した制度があり限界があります。ゆえに,QMSを企業にとって有効なものにす
るかどうかは企業自身の結果的に企業側の QMSの構築と運営能力にあると言え
るでしょう。

それでは,QMSの形骸化を心配されている企業は努力が足りないのかと言えば
逆に事務局を中心に各組織は苦労しながら真剣に努力を重ねているというのが
大半だと思います。この努力と結果のギャップを理解し埋めていかなければな
りませんが,なかなか具体的な解決への糸口が見えてこないというのが実情で
はないでしょうか。実際のところ企業活動は,ISOの規格要求事項を満たした
上,活動の中身(コンテンツ)の質と参加する人々の行動に依存するもので簡
単なことではありません。単に文書類で定めた事柄だけで業務の質が向上する
とは見えません。定めた活動の中身の質に目を向けていかなければ企業に有効
なものにならないのでしょう。

まず QMSの活動自身の有効性に目を向けるには,プロセスごとに何らかの KPI
(重要パフォーマンス指標)を設定し客観的な方法で連続的に評価することが
基盤となるでしょう。すなわち何らかの良し悪しを判断する手がかりを明らか
にすることです。これはISO 9001 4.1「プロセスの運営管理及び管理のいずれ
もが効果的であったことを確実にするために必要な判断基準及び方法を明確に
する。」に通じるものです。

QMSの有効性について,仮に不適合数をKPIとした場合,被監査組織は不適合が
出ないようにその活動を整えるでしょう。それはそれで良いのですが,“不適
合がない”ことは QMS構築の必要条件であり,QMSの有効性としては十分条件
でないことは明白です。

このように適切な KPIを定めることは QMSを評価するために重要なものであり,
 QMSの有効性を望むならば,なぜその KPIを指標にしたのかを十分に考える必
要がありそうです。その意味において KPIの設定は,そのプロセスのマネジメ
ント層が持つ知識や価値観に依存するものであり,そのプロセスをどのように
したいのかを示すものです。 (定めたKPIを見れば,そのプロセスの関心事と
マネジメントレベルをおおよそ見極めることができます。)

さて,話を QMSのパフォーマンスに転じれば,一連の構築した仕組みを KPIに
より評価することは QMS運営の基盤となります。これを定期的に行われる内部
監査と外部審査の結果と組み合わせて評価すればパフォーマンスについて,さ
らに有益な示唆を得ることができるでしょう。

このような評価と考察を重ねることにより QMSの状態が見えてきますが,実際
にパフォーマンスを改善するには,文書類をかえただけで改善できると考える
のは早計であることは,皆さんは良くご存じのはずです。それが有効になるた
めにはプロセスに参加している人々の行動が実際に変わることが必要であるこ
とをご存じのはずです。

前回の QMSサロンではパフォーマンスを導く因果関係について参加者の皆さん
と一緒に考察しました。プロセスの中の活動や行動は因果関係で形成されてい
ますので,前段階のプロセスが問題を起こせば,それに関連するプロセスは影
響を大なり小なり受けてしまいます。この因果関係を見ると二つのタイプが見
えてきます。それは“人による因果”と“出来事による因果”です。 QMSは主
に“出来事による因果”を軸にパフォーマンス向上を狙うものであるように見
えますが,出来事を引き起こす“人による因果”についても十分に配慮しなけ
ればならない場合が多くあります。特に知識活用型活動では“人による因果”
が大きな部分を占めるため“人による因果”への配慮がそのパフォーマンスを
決めてしまうことにもなります。

そこで,今回の QMSサロンでは,マネジメントシステムの中で示される“出来
事による因果”に加え“人による因果”に配慮しつつ,QMSを実際に機能させ
ている要素について話を展開してみたいと思います。 QMSを実際に効果的に機
能させるためには,それを機能させる背景条件があるはずです。 QMSを機能さ
せる背景条件をイネーブラー(可能にさせるもの)と考え,事例を見ながら皆
さんと一緒に考えてみたいと思います。


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●編集後記
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品質といえば,日本製品の競争力の柱であった時代が1980年代で,ここ20年間
は停滞の時代と言われています。また,震災や異常気象など日本を取り囲む環
境は,必ずしも,良いとは言えません。

このような中,海外で野球やサッカーで活躍している日本人を見ると元気が湧
いてきます。昨年は,女子サッカーで優勝,そして,今年はオリンピックイヤ
ー。きっと,日本を元気づけてくれる選手が多く現れてくれるでしょう。

本委員会でも,日本の品質,QMS,通信業界が,より元気になる一助となる
ような活動をしていきたいと考えます。

今後も,通信業界のベンダが集まる数少ない委員会として,情報発信していき
たいと考えます。

最後までお読み戴き,ありがとうございました。


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──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
    QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕)
* 皆様のご意見・ご要望をどしどしお寄せください!
 qmsmelg@ciaj.or.jp
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