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   「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

    「 勉学の秋,QMSサロンを開設! 」


                      2011年9月30日発行 第45号

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≪ 第45号 目次 ≫

 ・はじめに
 ・新企画! 知識活用型企業を目指す「QMSサロン」開設のお知らせ
 ・吉川先生によるBSC構築セミナー開講迫る!
 ・ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
 ・TL 9000コーナー 「ベストプラクティス会議から」
 ・知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
 ・編集後記

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●はじめに
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今年の夏は例年とは違う暑さを乗り越え,朝夕は過ごし易くやっと秋の気配を
感じられるようになりました。

QMS委員会では,「QMSをいかす」をテーマに新たな取り組みとして,恒例
の吉川先生の「BSC構築セミナー」を皮切りに,いろいろなイベントを企画
しています。特に,新しい試みとして「QMSサロン」を開設致します。
会員の皆様方の積極的な参加をお待ちしております。

それでは,メルマガ45号をお届けいたします。

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●新企画! 知識活用型企業を目指す「QMSサロン」開設のお知らせ
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本メルマガでは,毎号「知識活用型企業への道」として情報発信を行っており,
組織を動かす原動力となっている暗黙知(無形資産:インタンジブルズ)を
形式知化して,これらを活用していくことが企業にとって大きな意味を持つ
ことを,様々な切り口で解説して参りました。

「知識活用型企業への道」のコーナーは,総会特別講演の山本氏の講演とも
連動しており,会員から,もっと知的資産活用について知りたいとの意見を
多く頂戴しておりました。

そこで,この度,皆様の声にお応えして,双方向に知的資産活用について議論
できる場として,「QMSサロン」を開設する運びとなりました。

この「QMSサロン」は,真剣にQMSに取り組んでおられる方々が,より効果
的なQMSの活用に向けて,毎回設定するテーマについて議論を交わし,新たな
知見を創造・共有していく場にしたいと考えております。

記念すべき第1回は, 以下の内容で開催致します。

【第1回 QMSサロン】

  日時: 2011年10月21日(金) 14:00〜17:00
  会場: 東京・JEI浜松町ビル3階 CIAJ会議室
  テーマ: 知的資産と内部監査
  ファシリテーター:QMS委員会フェロー 山本 正 様
  募集人数: 20名程度

第1回は, 本メルマガでQMS における知的資産活用を掘り下げてきた背景から, 
「知的資産に対して内部監査をすることができるのか?」について議論を行い
ます。
決して,答えのある議論ではありませんが,様々な知見で有意義な議論ができ
たらと思っています。

別途開催のご案内を致しますが,皆様の積極的なご参加をお待ちしております。


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●吉川先生によるBSC構築セミナー開講迫る! 【締切:10月3日(月)】
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今回で8年目を迎える「BSC構築セミナー」の開催まであと2週間余りとなり
ました。本セミナーの最大特徴は,何と言っても,BSCの国内第一人者である
横浜国立大学の吉川武男名誉教授 直々の指導によること,さらに全体の7割を
演習に充てるという実践的なセミナーという点です。

今年はBSCが生まれて15年にあたり,生みの親であるキャプラン教授からの
今の日本へのメッセージを加え,前年度からのフィードバックも入れて進化
させた内容で皆様に提供いたします。

本セミナーはマネジメント時代に必要な思考力を総合的に体得できることから,
管理職または管理職候補の方の教育の場としても大きなメリットがあります。

まだ若干席に余裕がありますので,受講希望の方はこのメルマガの末尾に記載
の事務局まで急ぎお問い合わせください。

  日時:【1日目】2011年10月17日(月) 10:00〜16:00
     【2日目】2011年10月18日(火)  9:00〜18:00

  会場:東京・JEI浜松町ビル3階 CIAJ会議室


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●ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
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ISO 19011:2011「マネジメントシステム監査のための指針」の改訂作業が順調
に進んでおり,FDIS (Final Draft International Standards)の最終コメント
の段階です。

ご承知のとおり,今回の改訂により標題から“品質及び/又は環境”が取れて,
あらゆるマネジメントシステムに適用可能となります。また,監査員の力量及
び評価の大幅見直し,新たにリモート監査,監査におけるリスクの概念を追加
するなど踏み込んだ改訂内容となるようです。

QMS委員会では,識者をお招きして改訂内容を会員の皆様にお届けできる場の
調整をしておりますので,乞うご期待ください。


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●TL 9000コーナー「ベストプラクティス会議から」
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9月13日-14日,米国シアトルでクエストフォーラムのベストプラクティス会議
が開催されました。(参加人数 213名,参加企業 106社)

開会の辞では,クエストフォーラム会長でもあるAT&Tのティム・ハーデン氏が,
第四世代のLTE の導入やクラウドサービスに向けてのセキュリティ強化と大幅
なモバイルデータサービスの増加を強調しました。
2007年から2011年でデータ量は80倍の増加,今後の5年で8倍から10倍に膨れ上
がるとし,ネットワークは単一ベンダーでは構築できなくなっており,中小を
含めた複数ベンダーが集まって構築する必要がある。AT&TではTL 9000 を活用
していると発表しました。

基調講演では,IBMのウイル・ウラセク氏(AT&Tとの連携担当常務理事)は,
「クラウドサービスが2015年には$200B の市場になるだろう。年間25%の成長
率で伸びている。IBMが考えるクラウドのネットワーク環境としてはセキュリ
ティが重要で,AT&Tと共に考えている。」と発表しました。

次回のベストプラクティス会議は,11月7日〜10日に,中国 北京で開催予定で
す。

上記米国でのベストプラクティス会議の情報,及び中国 北京でのベストプラ
クティス会議の案内詳細は,クエストフォーラムのウェブページ:
http://www.questforum.org/ をご参照ください。


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●知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
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前回は,「現場知を活かすマネジメント」について,成文化された知識である
“過去の知”と,現場でその都度インタラクティブに取りかわされている
“今ここにある知”についてご紹介しました。また,“情報”と“知識”の違
いについても言及し情報を知識化することの必要性を述べました。これらは知
識活用型企業のQMS では特に注意し取り扱う必要があると考えています。

過去の経験を通し学んだことを文書など成文化することは,業務に関連する知
識を皆が理解し,かつ行動する組織的活動では必要でありプロセスアプローチ
の基盤となります。一方で知識創造活動は成文化された知だけで満たされるも
のでなく,“語ることがむずかしい”知識を含め知識創造の現場で起きている
“今ここにある知”に目を向ける必要があるとみています。


さて今回は少し話をかえ,現在改訂が進められているISO 19011「品質 及び/
又は環境マネジメントシステム監査のための指針」にならいQMS における
“内部監査”の意味合いを考えてみたいと思います。
“監査”とは広辞苑によれば「監督し検査すること」であり,一方,監査のた
めの指針では内部監査の目的を“QMS の有効性を確認する”ことになっていま
す。

そこで今回は“QMS の有効性”を検査するということは何を示すのか考察しま
す。まず,“何に対して QMSは有効であるか?”を理解することが,内部監査
を実施するために必要であり,そしてそのための手段を明らかにするために
“監査プログラム”の作成が求められています。

QMS の有効性は,構築当時のQMS であれば規格要求事項に対し適合しているか
の確認が基本となりますが,すでに認証取得している企業ではこの監査目的は
満たしていると考えることができます。次に,取引先の要求に対し有効である
かどうかを確かめることが考えられます。また,企業が設定した品質目標や経
営目標に対しQMS が有効であるかを確認することになるでしょう。

しかし,これらの段階を進むにつれ監査で確認する内容があいまいになってき
ます。例えば,“QMS は企業の経営にとって有効か?”を評価しようとなると,
競合他社との関係やビジネス環境の影響など企業内ではマネジメント出来ない
外部因子の影響を受けるからです。そこで基本に立ち返りQMS の有効性は,企
業が提供する商品やサービスの“質”で経営に寄与することとしますと単純に
考えれば顧客からの要求を満たすことは当然として,不具合率,返品率さらに
顧客の不満足度調査などが重要な“質”に対する手がかりになります。

また,他社が提供するものがそれ以上の“質”を持っていれば,相対的に顧客
の満足を得られなくなるため,市場シェア率などビジネス環境の視点から商品
やサービスの“質”の状況を確認することができます。

手順を軸とした段取型業務では,これらのKPI からどのプロセスに不具合の原
因があったかを特定し是正処置や予防処置を行うことは,長年の改善活動から
も馴染みあるもので監査プログラムの作成もそれほど難易度が高いものではあ
りません。

一方で,手順などで対応できない部分がある開発など“語ることがむずかしい
知識”が活動の中心にある場合,QMS の有効性を把握することはむずかしいも
のがあります。その場合,単純に考えればこのプロセスへのインプットと産出
されたアウトプットを比較評価することですが,QMS がどのように知識創造活
動に関与しているか理解できなければQMS の有効性は確認することができませ
ん。

このような“語ることがむずかしい知識”が活動の基盤にある場合,QMS とし
て制御する要素を見極めることがむずかしくなります。結果的にこのような話
題は人的資源の資質にまつわるものとなり,教育・訓練や支援活動としての
ICT ,コミュニケーション,さらにはモチベーションなどに展開されます。

しかし重要なことは,これらがQMS にどのように関わるかを理解することであ
り,それができなければQMS の有効性を確認することはできません。

このように,知識活用型企業におけるQMS の有効性を確認することは大変なこ
とです。QMS の中には手順や基準など成文化された“過去の知”だけでなく,
成文化されない“今ここにある知”が現場で重要な役割を担っており,QMS の
有効性を理解するにはこれら二つの知識形態に対しQMS の働きを理解しするこ
とが必要となるからです。

さて,紙面の関係で今回は問題提起のような形で終わりますが,「知識活用型
企業への道」として内部監査を起点に,これからお話を進めていきたいと考え
ています。


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●編集後記
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夏も終わり,今年を振り返って見ますと大震災,津波による原発事故,大雨,
台風,中国での高速鉄道事故,企業を標的にしたコンピュータウイルス攻撃,
さらには,米国の9.11から丸10年,衛星の地上への落下など安全を考えさせら
れる出来事が数多く発生致しました。

これらの中には,普段なじみのない,しかしながら,知っておくべき安全があ
るのではないでしょうか。

秋の夜長,虫の音を聞きながら,自然、食、情報セキュリティなどいろいろな
安全について,知識を得て,家庭から仕事までの安全リスクを減らすことを考
えて見てはいかがでしょうか?

最後までお読みいただき,ありがとうございました。


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──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
    QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕)
* 皆様のご意見・ご要望をどしどしお寄せください!
 qmsmelg@ciaj.or.jp
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