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    「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

  「2011年がスタート,今年も快調に飛ばします ! 」

                      2011年1月31日発行 第41号

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≪ 第41号 目次 ≫

 ・はじめに
 ・予告:QMS戦略セミナー『QMSを今一度考える(仮称)』
 ・異業種見学会の報告「ANA機体メンテナンスセンター(第2回)」
 ・ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
 ・TL 9000コーナー「役立ち情報(TL 9000規格から得られる気付き情報)」
 ・知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
 ・トピックス ISO 9000ファミリーに関するユーザー調査について
 ・編集後記

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●はじめに
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寒い日が続きますね。特に,北日本では深刻な雪害の報道がされています。
年明けからは,インフルエンザも大変流行しているようで,まだまだ,寒さへ
の備えは続きそうです。一方,先日発表された1か月予報では,全国的に平均
気温が高くなる確率が高いとのことで,春も一歩一歩近づいているようです。

そんな中,サッカー日本代表がアジアカップで優勝しました。深夜の決勝戦を
観戦された方も多かったのではないでしょうか。ザッケローニ新監督のもと,
若い選手の起用がズバリ的中し、応援するファンにとってはこれ以上ない嬉し
い展開でした。2014年ワールドカップへ向けての良い弾みになったと思います。

そして,企業の目標達成に向けQMSを駆使しながら日々業務に勤しむ皆様も,
日本代表チームのように長い道のりを走り続けるプロジェクト推進の立場かと
思います。

QMS委員会ではそんな皆様をアシストする企画を検討して参りましたが,
ようやく実現できる段階までこぎつけました。
ご期待ください。

ところで,前号でお伝えしたISO 9000ファミリーに関するユーザー調査には参
加されましたか?こちらの調査期間は2月末まで延長されることになりました。
次期ISO 9001の改正への検討材料にもなるので,皆様には是非ともご意見を反
映されるようお願い致します。

それでは,メルマガ第41号をお楽しみください。

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● 予告:QMS戦略セミナー『QMSを今一度考える(仮称)』
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QMS委員会では,今年度のテーマでもある「QMSをいかす」に相応しいイ
ベントを検討して参りましたが,QMS事務局の方々を対象にしたQMS戦略
セミナー『QMSを今一度考える(仮称)』を3月14日に開催する予定です。

過去数回のQMS委員会アンケートを分析すると,参加企業の抱えるQMSの
課題は様々ですが,全体として,形骸化からの脱却,有効性の向上,PDCA
の浸透など,ベーシックな部分での課題や悩みが多く,その課題はここ数年変
わっていません。

QMSを効果的に改善するにはQMS事務局の役割が重要です。そこで,今回
はQMSの本質に立ち返り,QMS事務局の役割を再考することで,課題突破
の糸口をつかんで戴きたいと考えています。QMSのコンサルティング事業で
豊富な現場経験を持つアムシックの日吉様,奥村様を講師に向え,一緒に考え
ながら,様々な視点から事務局の悩みや課題を解き明かす場を提供したいと考
えています。

2月上旬にはご案内の通知をする予定です。多くのQMS事務局の参加をお待ち
しております。乞うご期待!!


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● 異業種見学会の報告「ANA機体メンテナンスセンター(第2回)」
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11月26日,今年二回目のANA機体メンテナンスセンター見学会を実施しました。

当日は少し肌寒い天気の中,31名の方にご参加戴きました。

前回と同じく一般向けの見学コースでしたが,同時に4機の飛行機を収容でき
る巨大な空間に圧倒されるとともに,新しく調達したばかりのボーイング767
を目の前にガイドさんの丁寧な説明に加え,機体整備の様子,しっかり施錠さ
れた工具箱,整理整頓された整備ラインなどを実際に見ることができ,人命を
預かる飛行機の機体整備ならではの体験となった見学でした。

見学後のアンケートでは多数の方に満足と評価して戴きました。

また,近年では訪問企業との意見交換などの交流の場がもてない状況が殆どと
なっていることから,見学会のみの企画の是非をお伺いしたところ,交流の場
はなくともいろいろな気付きが得られる場であることには変わりがなく,殆ど
の方から継続すべきだとのご意見を戴きました。

今回のアンケートを参考に,今後の異業種見学の企画を検討していきたいと思
います。


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●ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
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1)昨年12月 TC176 SC2総会にて,ISO 10015(教育訓練)の定期見直しの投票
  が行われ,「確認」とされました。
2)審査にかかわるガイドであるISO 19011の内容の見直しが行われています
  が,12月に開催されたシドニー会議で議論されました。
  今後,DISとPreFDISとの比較検討がこれから行われる予定です。


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●TL 9000コーナー 「役立ち情報(TL 9000規格から得られる気付き情報)」
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TL 9000要求事項 R5.0から役立つ情報として,気付きを得られるキーワードを
一部抽出しましたので紹介します。

(1)「要求項番 7.3.1.C.1 プロジェクト計画 [ DFx ] 」
  この”DFx” は,設計段階から試験性,製造性,運用性や保守性などを考
  慮した設計を行うことで,顧客の期待に応え,また製品品質を向上につな
  がるキーワードと考えます。(フロントローディング)

  <参考> 非機能要求の課題解決ツール群として,”IPA/SEC の「非機能要
      求グレード」ガイドラインがあります。
      [URL → http://sec.ipa.go.jp/index.html ]
      「非機能要求グレード」は,システムの基盤部分に関して,非機
      能要求の“水準/度合い” を情報システムの性格によって段階
      的に表記することで,課題解決を狙ったツール群です。

(2)「要求項番 7.4.1.C.2 供給者のパフォーマンス管理 」
  主要な供給者へ品質情報のフィードバック,外注指導およびTL 9000 を優
  先とした取得調整により,品質改善を図るキーワードと考えます。
      (外注への監査項目の追加やESD保護指導など)

(3)「要求項番 7.1.C.1 廃棄まで含めたライフサイクルモデル 」
  製品廃棄はもちろん,社内外で保有の部品,半組立品の廃棄等を含めた計
  画・手順を持つことで,資源や環境に配慮可能なキーワードと考えます。
   (リサイクル,リユース,リデュース(3R),取り扱い説明書の電子化など)


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●知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
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前回は,多様性について述べさせていただきました。本来,多様性とは矛盾し
ていることをいかに受け入れるかということにつきます。
その意味で,矛盾と多様性は近い関係にあります。相反する事柄を同時に抱か
えることは,仕事の中では良く起きることです。日程も厳しいし目標も高いも
のであるのに,人員は少なく,その上にコストを下げなければならないなど,
理屈の上では矛盾したものに見えます。しかし,それを何らかの手法と努力で
何とか達成しよう試みる中で企業も人も成長するわけです。

この矛盾を解決するために模索する段階で,多様な考え方が求められます。
従来の延長線上にない事柄なので,知恵を使い解決することになります。
その意味で,矛盾という苦しみは多様性を生み出し成長をうながす源泉と言え
ます。

さて,前回のレビューはここまでとして,このような矛盾した事柄を処理する
ということは,QMS の中では対応が可能なのかということになります。
もちろんやり方次第で対応可能です。段取りの工夫だけでなくアイディアや知
識を循環させる仕組みをQMS に組み込み,多様性を生み出す環境を作り出すこ
とです。

このような活動は,QMS ではレビューが扱う内容です。知識を扱う事柄では手
順はほとんど意味をなさず,その中で行われる内容自体が意味を持ちます。
ゆえに,単純に記録を残すのではなく,その記録の内容を使う仕組みを考える
べきでしょう。

ここで,記録を活用し学習するという行為を今回は少し考えてみます。
議事録などの記録は成文化された形式知というもので,その情報は保存可能で
また配布可能な知識の形態です。この形式知は,その特性ゆえに現在のように
ITが発達した時代には不可欠な知識形態です。

それでは,ITの環境がなく電話でやり取りしていた時代はどうだったのでし
ょうか。もちろん,さまざまな知識は紙に書かれ保管され必要に応じて利用さ
れていたはずです。ワープロのない時代に手書きをするという行為は,容易で
なくその苦労は大変なものでした。このような時代には知識の循環は多くの場
合,話し言葉と行動で示されていたものです。この中で循環されていた知識は
単に形式知化できる知識だけでなく,仕事にかかわる姿勢,情熱,執念などを
含め言葉として伝えることが難しい何かを伝えてきたわけです。これを暗黙知
と言います。

このように,語ることが難しい何かを伝えることは,形式知では難しいもので
す。それでは,ビデオなどで形式知化すればいいのではと考えるわけですが,
ここにもう一つの落とし穴があります。ビデオは,相手側との対話ができない
ことです。相手の理解度によって表現を変えることができないわけです。
これは,形式知のもつ限界です。

ここで,学習するということを少し考えてみますと,学習とは情報の発信者と
受け手側,または話し手と受け手との関係において,知的協力関係(ポラニー)
があることが前提となります。知的協力関係とは,相手が述べようとしても表
しきれなかったことを,受け手側が自分の内面で,補完し理解することです。
受け手が理解し努力することです。この関係が成り立たないと学習行為は完成
しません。講座を受けても理解しようとしなければ,何らの意味も持たないわ
けです。

QMS の記録の活用に戻しますと,それが利用できるかどうかは職場における知
的協力関係と同じで,記録から学ぼうとする利用者側の意識が育っていなけれ
ば,単なる監査用の記録があるだけということです。知的資産経営に向けて
QMS を活用しようとすれば,まず形式知から学ぶリテラシーの育成が企業の基
盤になければならないというわけです。そのためには企業のコミットメントが
必要です。これ以降は,次回に解説いたします。


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●トピックス ISO 9000ファミリーに関するユーザー調査について
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前号でもご案内いたしましたが,”はじめに”でもお伝えした通り,ISO 9000
ファミリーに関するユーザー調査が行われていますので,再度のご案内をさせ
て戴きます。
次期ISO 9001の改正への検討材料になりますので,ユーザーの立場での忌憚の
ないご意見を反映されるようお願い致します。

 <調査サイトURL>
 http://www.jsa.or.jp/stdz/iso/iso9000.asp#4

 ユーザー調査の問合せ先
  (財)日本規格協会 規格開発部 規格第三課
   品質マネジメントシステム規格国内委員会事務局
   電話:03-5770-1569  e-mail:cstd@jsa.or.jp

 調査期間:2011年 2月末まで


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●編集後記
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この時期は一年の中でも最も寒く,家の外に出るのが本当に億劫になってしま
いますね!今は,「寒の内」や「寒中」と呼ばれ,二十四節気の小寒から,大
寒を経て,立春が来るまでの間に当たり,寒さが最も厳しい時期とされていま
す。今シーズンの寒さは,例年並みと言ったところでしょうか。

こんな寒さに負けじと,皆さんは冬でも何かスポーツはされていますか?若い
アウトドア派の人にとっては,スキーやスノーボードを楽しむ絶好の季節かも
知れませんね。私も若い人のようにスキーに出かけますと言いたいところなの
ですが,寒さにおののき,スキーともすっかり縁遠くなっています。

ところで,スキーが日本に伝えられたのは,どれくらい前のことかご存知です
か?ニュースを見た方も多いと思いますが,今年でちょうど100年を迎えた
そうです。1911年1月12日にオーストリア陸軍のレルヒ少佐によって,
今の新潟県上越市でスキー指導を行ったことが起源と伝えられています。当時
は袴姿のほか,軍服で滑る姿も見られたということです。
現在とは違い,機能性ウェアなどない時代ですから,たくさん着込んでも,
とても寒かったに違いなかったでしょうね。

旧暦2月や新暦2月の別名としても用いられる如月は,寒さで着物を更に重ね
て着ることから,「着更着(きさらぎ)」とする説があるそうです。最近の私は,
ウォームビズと称して,着膨れすることにすっかり抵抗がなくなってしまいま
した。あと数日で春の訪れを知らせる立春です。早く着膨れした服装から脱し
て,気軽に外に出かけられる日が心待ちです。寒い季節もあと僅か,体調管理
に気を付けて,この冬を乗り切りましょう。

最後までお読みいただき,有難うございました。


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──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
    QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕)
* 皆様のご意見・ご要望をどしどしお寄せください!
 qmsmelg@ciaj.or.jp
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