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    「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

 「総会特別講演でサーバント・リーダーシップの概念に触れてください!」

                      2008年5月30日発行 第25号

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≪ 第25号 目次 ≫

 ・はじめに
 ・QMS委員会総会のお知らせ
 ・ISO 9000 改訂動向  
 ・TL 9000コーナー「災害復旧について」
 ・知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
 ・編集後記 

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●はじめに
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このところ梅雨の走りを思わせるような天気が続いておりますが,会員の皆様
はいかがお過ごしでしょうか?

この5月は,ミャンマーでのサイクロン,中国の四川大地震と未曾有の大災害
が発生致しました。これが日本で発生したらと考えると決して人ごとではあり
ません。TL9000コーナーでは,災害復旧を取り上げていますが,皆様のご家庭
でも地震などへの備えを見直されてはいかがでしょうか? 

6月からは,クールビズ。地球環境の悪化による気象への影響が叫ばれるなか,
単に涼しい服装と喜んでいるだけでなく,一人ひとりの環境への配慮を行動で
示さないといけないのではと感じております。

私たちの市民生活の中で出来る小さなエコ活動がある一方,影響の大部分が
企業活動によってもたらされている事実があります。
企業もまた,社会の公器として未来の地球環境を考えつつ活動していくことが
益々重要性を増してくることと思います。

QMS委員会は総会を機に新しい一年が始まります。引続きの皆様のご支援・
ご協力をお願い致します。

それでは,メルマガ第25号をお楽しみください。


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●QMS委員会総会のお知らせ
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「2007年度 QMS委員会総会」を,6月4日(水)に開催致します。
 (皆様には各社委員を通じて既にご案内を差し上げております。)

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 開催日:2007年 6月 4日(水)
 場 所:情報通信ネットワーク産業協会 会議室B〜E(懇親会:会議室I)
     東京都港区浜松町2丁目2番12号 秀和第一浜松町ビル3階
 総 会    13:30 〜 14:30
 特別講演会  14:50 〜 17:10
 懇親会    17:30 〜
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今回の総会では,QMS委員会にご参加の皆様との意見交換のお時間を設けて
いますので,忌憚のないご意見を頂きたく思います。

さらに,今回は特別にQMS委員会ならではの素敵な粗品もご用意しております。
ご多忙とは存じますが,何卒ご出席の程お願い申し上げます。


恒例の総会特別講演会は,経営に役立つ観点で2つの講演を予定しています。

おなじみの山本フェローには,
会員企業のQMSの失敗事例を独自の切り口で分析・評価したお話を頂きます。

また,今回は,超ご多忙な(株)資生堂相談役の池田守男様をお招き致します。
池田様には,“サーバント・リーダーシップ”(*)の考え方や,最近の中心的な
活動である,教育関連のお話を頂きます。

 * 上の地位にある者が,第一線に指示をして仕事の仕方を変えさせるの
  ではなく,現場の第一線がやりやすいように仕事の環境を整え,自主的な
  改善を後押しするという考え方。


<総会記念講演会>

 1) 第1部「QMSの失敗事例から学ぶ『新しい気づき』」
  [講師]山本 正 様
      (QMS委員会フェロー,早稲田大学大学院博士課程)

 2) 第2部「サーバントリーダーシップと企業の社会的責任(仮題)」
  [講師]池田 守男 様
      (資生堂相談役,経団連少子化対策委員会委員長,
       東洋英和女学院理事長・院長)


今年は講演会に引続き,CIAJ内で懇親会を行いますので是非ご参加下さい。
会員企業の皆様には,会員相互・講師の方との交流・情報交換の場として
ご活用頂けましたら幸いです。


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●ISO 9000 改訂動向  
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5月17日に開催されたISO/TC176ノビサド総会での,各規格類に対する日本案の
確認のため,品質マネジメントシステム規格国内委員会(TC176-J)が,去る
5月8日に開催されました。
その内容を一部ご報告します。

1. ISO/DIS 9001;

 現在DIS(Draft of International Standard)のレベルに来ている 9001の
 要求事項に対し,日本案として18箇所の検討事項を提出いたします。

 CIAJ QMS委員会から提出したコメントから2コメントが採用されました。

  各関係者から非常に多くのコメントが寄せられ,それを国内委員会で考察
  し,ふるいにかけ,最後に残ったコメントから日本案を抽出します。
  核心を捉えたコメントで無ければ,日本案として採用されませんので,
  2コメントが採用されたことは,QMS委員会として大きな成果です。

 ISO/DIS 9001は,各国のコメントをベースに見直され,最終的名ドラフトで
 あるFDISに進む予定です。

2. ISO/CD 9004;

 CD(Committee Draft)の段階で足踏み状況です。
 多くの基本的な部分で立ち止まっております。まだまだDIS段階まで行く
 には時間がかかりそうです。

3. ISO 19011;(監査へのガイドライン)

 監査に関するガイドラインであるISO 19011の見直しへの要求(NWIP(*))
 が提示されました。見直しの課題は,
  (1)第三者監査を含めるか否か,
  (2)監査員の力量について,
  (3)各種マネジメント規格に共通して使えるようにする,
 といった点にあります。

 * NWIP;New Work Item Proposal(新業務項目提案)


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●TL 9000コーナー「災害復旧について」
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近年,自然災害による被害が大きくなっているように感じます。 
このような状況に,企業として事前に,どのような対応をすべきか。

TL 9000要求事項には,災害復旧についての要求事項があります。
この要求に関して,参考となる思われる情報を以下に紹介します。

<災害復旧>

(1)この要求事項の趣旨

・我が国では,今,大地震が発生するかもしれない。
 最近の中越沖地震でも,電力供給ピンチ,部品供給ストップによる
 生産停止が起きている。
 TL 9000 R4.0で追加された「災害復旧のための文書化された計画」は,
 企業にとって有益な要求事項である。

(2)企業にとって役立つ情報

・内閣府の中央防災会議では,災害時の事業継続計画の普及,促進を図る
 ために,平成17年8月に「事業継続ガイドライン」を制定している。

・事業継続ガイドラインでは,災害リスクを想定して防災対策の計画を立てる
 こと,災害時に企業が考慮すべき重要事項(生命の安全確保,二次災害の
 防止,地域貢献・地域との共生)を基本としており,「事業継続ガイド
 ラインチェックリスト」及び「事業継続計画の文書構成モデル」を示し,
 事業継続計画の確立を提言している。これを参考にして災害復旧にかかわる
 計画を確立するとよい。

・今年の1月にCIAJとJEITA((社)電子情報技術産業協会)が合同で
 「BCP策定・BCM導入のポイント〜取り組み事例と課題〜」を発表して
 います。これからBCPを策定しようとする企業のBCP策定担当者の
 参考となるよう,以下の章立てになっています。

  ・ 第一章 業界の特徴からくるBCP取り組みの必要性
  ・ 第二章 各社取り組み事例
  ・ 第三章 提言

 また,付録として,具体的対応策(建物・生産設備の被害軽減策,緊急地震
 速報および安否確認サービス)およびBCに関する基礎情報(事業継続推進
 機構の「標準テキスト」,内閣府/経済産業省発行のガイドライン等,既存
 資料からの抜粋)が掲載されています。

 <参考>:「電機・電子・情報通信産業 BCP策定・BCM導入のポイント」

           http://www.ciaj.or.jp/content/topics/pdf/080115_BCP.pdf

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●知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
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前回は,創発性を高めるためには人的資源のリテラシー(言語により読み書き
できる能力)を高めることが必要であり,「場」と呼ばれる「経験が共有でき
る場所」の提供が役に立ちそうだというところで終わりました。

今回は,QMSにおけるIT化による情報の共有とリテラシーの関係を考えてみた
いと思います。

昨今では,飛躍的に進歩した通信システムにより企業内にとどまらず,家庭
でも大量の情報を瞬時にして入手することができるようになりました。インタ
ーネットでの動画配信が何のトラブルも無く行える環境は,10年前には想像す
らできなかったことです。

QMSの中でもこれらIT環境をうまく使い,さまざまな情報が大量に流れていま
す。情報共有に関して問題になっていたことの一つは,社内のどこにどのよう
な情報があるのか分からない,適切な情報にたどり着けないといったものでし
たが,社内HPやポータルサイトのサーチエンジンの能力向上でかなり改善でき
るようになって来ました。
逆に情報漏洩という課題を抱えてしまいました。

さて,このようなすばらしい情報コミュニケーションの環境が整ったのにQMS
が上手く機能していないとすれば,どのような課題があるのでしょうか。

その背景として考えられることは,
 (1)もともとQMSが実態と合っていないため使えない。
また,次の背景として
 (2)使い手側の意識に関わる問題です。

前者の課題はよく言われているように形骸化し他人任せでQMSを構築したと
きの課題といえます。
後者の“使い手側の意識によってQMSの実行能力が変わってしまう”という
課題は,人に起因する根の深い問題です。今回は後者に焦点を当てて話しま
す。

“人々の参画”というのが品質マネジメントシステムの原則にありますが,
裏返せば“人々が参画しないQMSは本質的に意味がない”ということです。
これは,多くのISO事務局が経験する悩みでしょう。

それでは,なぜ人々はQMSを使わないのか,また使えないのかを考えると,
 a. めんどくさい,
 b. 不適切なものが決められている,
 c. 内容が理解できない,
などの理由があるかと思います。

一番目の“めんどくさい”ということは,共同作業を行うための規範ができ
ていないことであり,先に述べた“人々の参画”の課題でもあります。
理解してもらう努力と,それらの人々に個々に対応処置をしていかなければ
ならないでしょう。

二番目の問題は,実態に合わせた維持管理ができていないということなので,
QMSの継続的改善の趣旨に従って,維持していく努力がさらに必要でしょう。

悩ましい問題は三番目の“理解できない”という課題です。これが一番目,
二番目の課題を引き起こしている可能性があります。
同じ職場内でも,前任者が決めた手順や標準,基準の意味が理解できず行動
されないまま放置されるといった状況です。

情報の作成者すなわち発信者の知識をベースに情報(手順類)は決められる
のですが,それに従って行動する人々が理解できなければ,その情報は実質
的に意味がないということになります(すなわち存在するだけ)。
このことは情報発信(文書化)だけに勢力を傾けても受信者側のことを考え
なければQMSとしては未完成ということを意味します。このような課題を抱え
たQMSは例え,内部監査や外部監査を何度やっても,そのQMSがかかえる課題
の本質は見えてこないでしょう。

それでは,なぜ受信者側が利用できない状況が起きるかといえば,手順や
知識が全て記号化(文書化)できない,すなわち記号化の限界を理解して
いないことから生じます。
文書化の段階で“そぎ落とされた情報”(見えない情報)があるはずです。
ゆえに文書化したから行動できるなどと安易な前提をおくことは間違いです。

次に,先に述べたように読み手側の読み取り能力(リテラシー)の課題です。
そぎ落とされた情報を補完し情報を再生する,すなわち理解し行動するため
に必要なリテラシーが不足していれば,発信者の意図が伝わらず,適切な
行動が行われません。

このようにQMSの情報の共有化について,情報の発信側の意図と受信側の
リテラシーに起因した差異を考えていく必要があります。
(注;情報発信者側に文書化能力がない場合もありますので,受信者側の
リテラシーだけに注目するのは間違いです。)

たとえすばらしい手順や基準を作成し,IT技術を導入し,情報コミュニケー
ションがすばやくできる環境を整備したとしても,決して有効で効率的なQMS
とはならないでしょう。


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●編集後記
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はじめにでも取り上げましたが,中国・四川大地震, ミャンマーのサイクロン
災害など自然災害が相次ぎ, 日本では, 衆参逆転国会の状況下でのガソリンの
暫定税率の廃止と復活など, 落ち着かない世相です。

そんな中,テレビ番組で,最近,知識が少ないことを,堂々と売り物にしたタ
レントが人気となっています。

実際に見ると,素直で,明るく,とても好感が持てます。単に諺などの知識が
不足しているだけです。しかし,その不足の仕方が半端では有りません。
こんな事も,知らないのかと驚愕でした。同時に,他人を見る時の自分自身の
物差しが,相当に狭いことに気付くことができました。想像以上に知識の幅は
大きいのです。
逆に博学の人々は,恐らく想像を越えて,豊富な知識を保有しているでしょう。

この枠に入った思い込みから抜け出せると,新たな発見や想像の糧となり,
思考や行動の幅が広がる実感がします。

例えば,音の出ないサイレントピアノ,丸一日食物を食べない健康法,人の
言葉を聞かない長寿法,事に全くケチをつけないで過ごす心の安定法,日光・
月光菩薩を背面からも見せる展示など,常識と逆転の手法が数々紹介されて
います。

あまりにはみ出すと変人とも呼ばれますが,発明家や先駆者ともなりえます。

思考も行動も,枠内の安定か変化か,選択することは,自由です。

などと,思考していると,昼休みの時刻となりました。
いつもの定食の店に行くのか,初めての店に飛びこんでみようか,
今日も迷っています。


最後までお読み下さいましてありがとうございました。

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──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

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