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━ CIAJ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会 「役に立たないQMSって本当はとっても奥深い…」 2007年9月28日発行 第21号 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CIAJ ━ ≪ 第21号 目次 ≫ ・はじめに ・ISO 9000sの改訂動向「TC176 ヘルシンキ会議報告の結果報告」 ・TL 9000コーナー「TL 9000 R4.0に見る企業にとって役立つ項目の調査」 ・QKMレベルアップセミナー「信頼性解析講座」のご報告 ・QMS戦略セミナー「失敗に学ぶリスクマネジメント(仮題)」のご案内 ・QMS戦略セミナー「バランススコアカード」のご案内 ・「役に立たないQMS」のナレッジ化に向けた事例募集のお願い ・知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」(第2回) ・編集後記 :MOTTAINAI(もったいない) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●はじめに ─────────────────────────────────── 昼は夏の名残を感じつつも,夜は虫の音とともに秋の訪れを感じる今日この 頃ですが,会員の皆様はいかがお過ごしでしょうか? 各企業では,期末の処理やら組織の改正などでお忙しい時期と思いますが, QMS委員会では,これから今年度の目玉のイベントを続々行って参ります。 本号では,事業リスクマネジメントとバランススコアカードのセミナーの ご案内をしております。 また,新しい試みとして,QMSとしては,どうかと思うような事例を集め て,自社のQMSを見直すトリガとなるナレッジを視覚化することにチャレン ジしております。 是非,会員企業の皆様からの事例提供のご協力をお願い致します。 順調にいけば来年の総会で小冊子化してお配りできる予定です。 それでは,メルマガ21号をお楽しみください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●ISO 9000sの改訂動向「TC176 ヘルシンキ会議報告の結果報告」 ─────────────────────────────────── 前回も報告しましたが,2007年6月11日〜13日(フィンランド ヘルシンキ) で開催されましたTC176会議の詳細内容を報告いたします。 主なポイント: 1)ISO 9000 改訂 ISO 9004の改定をにらんで新しい概念を入れることに改訂の目的があったが, 肝心のISO 9004が遅れにより影響を受けている。 ISO 9004との関係で2009年8月頃となる予定。 Pre WD (Working Draft) 9000では定義変更14語,追加された用語31語であり, 今後とも検討される。 2)ISO 9001 追補 DIS (Draft of International Standard)(2007年9月現在), FDIS (Final Draft of International Standard) 2008年7月予定, IS 2008年10月予定。 前回実施されたCD(Committee Draft)レベルでのコメント(778件)を審議 した結果,従来見直しされたもののうち,誤解を招きやすい内容について, 現在のものに戻されるものがあった。 3)ISO 9004 改訂 CD1へのコメント約800件,検討した結果 Pre CD2を作成。 章構成は合意されたが,章ごとの内容のバランスが現状でも悪い。 今後の予定として,2008年1月 CD3を回付,2008年8月 DIS回付,2009年5月 FDIS回付,2009年8月 IS発行の予定。 表題は,“Managing for sustainable success”となった。 (“sustainable growth”ではなくなった) <ISO/DIS9001 妥当性確認の実施> 現在 追補として見直しされているISO 9001のDISについて, 妥当性確認が2007年11月1日〜2008年1月31日の予定で行われます。 当CIAJ QMS委員会もISO事務局(日本)に参加する旨の登録いたし ました。 ただし,今回から妥当性確認は,各国10組織に制限することになったようです ので,CIAJが選択されるかは,現状では不明です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●TL 9000コーナー「TL 9000 R4.0に見る企業にとって役立つ項目の調査」 ─────────────────────────────────── 前回のメルマガで,TL 9000 R4.0の要求事項から,会員企業にとって役立つ 内容(項目など)の調査検討を紹介しました。今回は,その続報です。 その後,23項目から更に絞り込んで,次の7項目を対象に,内容の検討を 進めていますが,企業における事業継続などの示唆にとんだ内容を含んでいます。 1. <6.3.C.1> インフラストラクチャー [ 情報セキュリティ,顧客情報保護,建物,設備 ] 2. <7.1.C.2> 災害復旧 [ 事業継続計画(BCP),事業継続ガイドライン] 3. <7.3.1.HS.2> 設計・開発プロセスの測定 [ 出荷判定時の測定可能な品質指標など] 4. <7.3.1.S.4> リグレッションテスト計画 [ リグレッション対象の明確化] 5. <7.3.5.HS.1> ストレス試験 [ 製品マージンの確認 ] 6. <7.3.5.HS.2> 異常状態(での試験) [ フェイルセーフ機能の確認,過去の障害再発防止 ] 7. <7.4.1.C.1> 購買手順 [ 受入判定基準 ] 今後,WGメンバで詳細検討を行い,成果を会員企業へ展開する予定でいます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●QKMレベルアップセミナー「信頼性解析講座」のご報告(普及分科会) ─────────────────────────────────── 8月24日,第4回「信頼性解析講座」を開講しました。 19名の受講者の皆さま,ご参加ありがとうございました。 本講座は,ワイブル確率紙の書き方を中心に信頼性解析の基礎を学ぶもので あり,カリキュラムは,午前中に信頼性の基本的な考え方,午後に本講座の 特徴である演習を中心に学習しました。 今回も受講者の皆様から熱心な質疑があり,活発な意見交換が行われました。 受講者の皆様からは,次のような感想が寄せられております。 ・「信頼性の尺度」,「ワイブル分布とデータの解析」はもう少し詳しく 説明してもよろしいのではないでしょうか。 その場で理解できなくても,本当に必要な人には非常に参考になります。 後日,自分で勉強する際に役立つと思います。 ・MTBFの新しい訳し方,1fit,MTTFとMTBFの違い。 ・実例を挙げて説明があり非常に分りやすかった。 ・ワイブル確率紙を書いたことが無かったので書き方が分ってよかった。 ・学べば学ぶほど全てが確率,平均,推定の世界であることをあらためて 思い知らされた。 ・信頼性向上のための項目が,今までの自分の考え方と同様だったことが 検証できた。 また,昨今のニュースに例えた説明等,分りやすかったと思う。 ・初学者に分りやすく講義して頂けてよかった。 ・ハードウエアに関する信頼性の考え方全般 また,QMS委員会へのご要望も何件かいただいており,今後の事業活動へ フィードバックしていきたいと考えております。 今回も様々な職種,経験度の方に受講いただき,難易度の受け止め方は受講 者により様々でした。 今回,講義内容が理解できなかった方は,改めて受講いただくことも可能 です。是非,本講座をご活用いただき業務や自己のスキルアップにお役立て 下さい。 本講座は,受講希望が一定数に達したところで開講致します。 引き続き,皆様からの受講希望をお待ち致しております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●QMS戦略セミナー「失敗に学ぶリスクマネジメント(仮題)」のご案内 ─────────────────────────────────── 戦略セミナー初の、リスクマネジメントに関するセミナーの案内です。 リスクマネジメントをテーマとして取り上げたのは、会員の皆様からのアン ケートで要望が多いこと、J−SOX法など法令遵守が必要となっていること、 不祥事、事故、リコール、地震発生など、企業の存続自体が危ぶまれる事態が 多数発生していることからです。 危機管理の視点から、QMSやプロジェクト管理を見直すきっかけ、気づき になればとの思いから、セミナーを企画いたしました。 詳細は,準備が整い次第メールにてご案内致します。 1.開講日: 11月26日(月) 2.講座名:QMS戦略セミナー 『失敗に学ぶリスクメネジメント(仮題)』 3.講 師: 眞崎リスクマネジメント研究所 代表 眞崎 達二郎 様 4.場 所: CIAJ 秀和第一浜松町ビル3階 5.時 刻: 15:00〜17:00[予定] 6.参加費: 無 料 (QMS委員会会員企業[会員特典]) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●QMS戦略セミナー「バランススコアカード(BSC)」のご案内 ─────────────────────────────────── QMS委員会では,今年もBSCの国内第一人者である横浜国立大学大学院 の吉川武男教授をお招きして,QMS戦略セミナー「バランススコアカード」 を開催致します。 企業では,予算や年度目標を立てて運営されておりますが,経営のビジョン と実行が乖離しているような話がよく聞かれます。BSCはこの両者をリンク させていく,まさに目から鱗のソリューションなのです。 QMS委員会では,この部分に着目して,今年で4年目のBSCセミナー開催 となります。 特に今年は2日間のカリキュラム(例年は1.5日)とすることで,初日に BSC構築のためのトレーニング時間を設け,2日目の演習を円滑に行うこと で,BSCの基礎とBSC構築の演習を通じたプロセスをより深く体得いただ けるよう配慮をしております。 昨今では,BSCを導入したものの成果が今ひとつの企業も多いという話も 聞かれます。本セミナーでは,「成功のカギ」,「起こりやすい失敗要因」, 「導入の留意点」についても紹介致します。 BSCの導入,BSCの更なる活用,BSCテクニックの体得をお考えの 皆様,企業の経営改善を模索されている経営層の皆様,是非,この機会に 受講されることをお勧め致します。 詳細は,準備が整い次第メールにてご案内致します。皆さんこうご期待!! 1.開講日: 12月11日(火),13日(木)[2日間] 2.講座名:QMS戦略セミナー 『バランススコアカードの基礎から構築まで』 3.講 師: 横浜国立大学大学院 吉川 武男 教授 4.場 所: CIAJ 秀和第一浜松町ビル3階 5.カリキュラム概要: [第1日]12月11日(火) 9:30〜16:00[予定] ・組織力向上につなげるBSCの活用方法と注意すべき落とし穴 と題して,基礎,活用法,事例などの講義を行います。 ・BSC構築に必要な要素の洗い出しのトレーニングを行います。 [第2日]12月13日(木) 9:00〜18:00[予定] ・吉川教授の直接指導によるグループ演習形式でのBSCの構築を 行い,成果をグループ発表および相互評価,講師講評を行います。 6.参加費: 無 料 (QMS委員会会員企業[会員特典]) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●「役に立たないQMS」のナレッジ化に向けた事例募集のお願い ─────────────────────────────────── ISO 9001を認証している組織の中では,下記のことをしばしば耳にすること があります。 「本来不要なISO 9001のための余計な仕事をしている。」 「必要なことが実施されておらず(気が付いていない)問題ないと思って いるようなことが平然と行われている。」 「文書だけ増えて品質は良くならない。」 QMS委員会では,このような事例を会員の皆様より募り,事例集として ナレッジ化することで,会員企業の皆さまのQMSを見直す気づき, もしくは警鐘を促すトリガとしてご活用いただく計画を致しました。 つきましては,“これは”と思うような事例を是非ともご提供戴きたく お願い致します。 なお,提供して戴いた事例につきましては,研究分科会で精査のうえ, 会員企業名等の固有の情報は一切オープンにしない形で編集をさせて戴きます。 会員企業の皆様からの事例提供をお待ちしております。 <募集要項> 1.事例記載要領 (1)タイトル (2)事例内容 様式問わず,文字数:500〜1000字程度,写真/図表掲載可 (3)補足説明(必要に応じ) 2.募集期限: 2007年12月21日 3.事例提供先: mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」(第2回) ─────────────────────────────────── 前回から始まりました「知識活用型企業への道」のコーナー担当の山本です。 前回では,なぜQMSが企業目的に貢献できないのかという疑問や,企業の 競争優位(劣位)は何が影響しているのかという疑問から始まり, 知的資産経営という視点からQMSを考えてみたらどうでしょうかという ところで終了しました。 今回は,この続きとして「知的資産」とは何なのかを考えてみたいと思います。 <知的資産とは> 企業は,「資産」を使って製品を作り,収益を得ています。設備や家屋,土地 などは「固定資産」であり,主に長期的に使っていくものでありますが, それでは「知的資産」とは何でしょうか。 簡単に思いつくのが特許権,商標,ブランドなどが思い浮かびます。 さらには,ノウハウや,さまざまな情報が詰め込まれたデータベースを思い 浮かべる方もいるでしょう。また,人材自身が「知的資産」そのものである と思われている方も少なくないはずです。 さて,これらの「知的資産」と思われるものを,どのようにQMSに関係づけ ればいいのでしょうか。 特許や商標など,法律的に権利を主張できるものは(これを知的財産と言い ます)QMSとして取り扱うことは比較的簡単に対応できそうですが, ブランドなど,企業が長年誠実に稼業に取り組み結果として築き上げたもの はQMSとしてどのように関係づけることができるのでしょうか。 さらには,私たち人材をどのようにQMSに取り組むのでしょうか? もちろん,ISO規格でも言われているように,人々の参画がなければ企業 は活動できないことは当然ですし,プロセスに求められている力量を得られ るように人材を教育・訓練するこことはQMSとしては不可欠な事柄です。 しかし,コミュニケーションを円滑にし,手順を決めて動機づけられた人々 によりプロセス・アプローチを実施すれば,企業は本当にうまく機能するの でしょうか? <経験知,身体知,想像力> 私の経験では知識活用型企業では,これらは必要条件ではあるけれども, 十分条件ではないように見えます。 段取りや手続きを中心とした企業では,多くの業務をプロセス・アプローチ で説明できるかもしれませんが,研究・開発業務を軸にしている企業では, プロセス・アプローチだけではうまく説明できそうにありません。 ゴルフを例に考えてみると,個々人の身長や筋力が違いますから各人に合っ た適切なクラブは同じものではないはずです。 また,練習場でいかに練習してもゴルフコースでは斜面もあり,ラフもあり, さらにはバンカーや木々など様々な外部環境があり,練習場ではプロ並みの ショットを打てる人でも,そうは簡単に思ったようには打てません。 その上,風が強く雨が降れば,どうしようもなくなります。 やはり数多くコースに出て経験的に学ぶことが必要となります(経験知)。 そこで,数多くコースに出て経験知を積み上げるのですが(身体知), すぐにシングル並みの腕前になる人もいれば,相変わらず100を切れないで いる方々も少なくありません。 実際の仕事現場も,同じような状況があるかもしれません。さまざまな 教育・訓練やOJTを長年行ったとしても,個人差があります。 人材には業務経験や学歴や知識量だけでは測れない何かがありそうです。 さらには,創造力や困難に立ち向かう能力,意思決定力など様々な要素が 人材には加わります。 知識活用型企業ではむしろプロセスよりも,プロセスの中にある資源として の人材の能力が大きく影響しそうですから,これらをどのようにQMSに 関係づけるのかは,非常に重要であり,またとても困難なことのように 見えます。 次回は,この課題を少し整理してみたいと思います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●編集後記 ─────────────────────────────────── 日本語がそのままの発音で英語になっているケースとして,「KAIZEN」, 「TSUNAMI」が挙げられます。 以前,チェコに赴いた際,現地の方に,日本人が「改善」の英訳に即使用 する「improvement」と「KAIZEN」は何が違うの? という質問を投げかけて みました。「improvement」はポイント的改善で,「KAIZEN」は継続的改善の ことという即答を得ました。 なるほど!と感心したことを覚えています。 同様に,最近世界的に使用されつつある日本語英語に「MOTTAINAI」があり ます。 きっかけは,環境活動家として史上初ノーベル平和賞を受賞したケニア 共和国 副環境相のマータイさんが,訪日を機会に「もったいない」を知り, その後,国連での講演の中で紹介したことだそうです。 もともとは環境活動促進で使われたようですが,さまざまな視点で応用が きく言葉だと思います。個人レベルで考える MOTTAINAI と,会社レベルの それは,似ているところがありませんか? 実行するのが個人か組織かの違いだけですよね。 ルールの存在は,MOTTAINAI を促進すると思います。 ちなみに,このMOTTAINAI を英訳する場合,受け売りですが,物理的損失 を惜しむ気持ちと,なかば宗教的とも言える形には表すことができない精神 的・神がかり的な内容を考慮し,単なる“wasteful”ではなく“profane”が 良いのでは,という意見がありました。 私は個人的にこの考えにとびつきました。 我々日本人は, 昔ながらの習慣の中で MOTTAINAI が身に染み付いており, 大切なものを何とかしようとする心を持ち合わせていると思います。 こういった心の宝物を継続させていきたいと願う今日このごろです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ──「QMSを経営に生かしたいあなたに贈る」── * 配信追加は下記にお知らせください。 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp * 発行:情報通信ネットワーク産業協会 QMS委員会メルマガ編集部 http://www.ciaj.or.jp/top.html http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ) * 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕) * 皆様のご意見・ご要望をどしどしお寄せください! 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