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    「QMSを経営に生かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

「QMS戦略セミナー結果速報!/TC176パナマ総会が開催されました」

                      2005年11月25日発行 第10号

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≪ 第10号 目次 ≫

 ・はじめに
 ・異業種見学会「花王株式会社 すみだ事業場」に行って来ました!
 ・QMS戦略セミナー結果速報!
 ・トレンド情報「TC176パナマ総会が開催されました」
 ・TL9000コーナー「TL 9000/QuEST Forumの動向について」
 ・研究分科会「分科会メンバーでケーススタディを試行しました」
 ・編集後記

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●はじめに
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 もうすぐ師走。東京都内でも木の葉がすっかり色づき,繁華街ではクリス
マスの飾りやライトアップで華やいだ光景が見られるようになりました。

 本号でQMS委員会のメルマガもおかげさまで創刊10号を迎えました。
皆様からのアンケート結果によれば,役立つ情報があり,毎回もしくはたまに
読んでいるというご意見をいただいております。
 今後ともQMS委員会からのメッセージとして,皆様にとって有益な情報を
発信して参ります。皆様からの忌憚のないご意見をお待ちしております。

 今回の情報発信では「ケーススタディの試行」が注目です。
 QMS委員会では,委員会活動活性化の施策を種々考えておりますが,その
取組みのひとつとして試行したものです。記事をお読みいただき,会員の皆様
のご意見やご要望もお聞かせいただきたくご支援・ご協力をお願い致します。


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●異業種見学会「花王株式会社 すみだ事業場」に行って来ました!
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 10/7に3年ぶりの異業種見学会を開催し,約40名の会員とともに花王株式
会社様のすみだ事業場を訪問致しました。工場内の見学は,親切かつ詳細なる
案内者の説明を受け,見学コースを案内していただきました。

 見学コースには生産ライン,R&D関連,花王のミニ歴史博物館などがあり
ました。特に電話相談窓口の情報が社内関係者全員に伝わるエコーシステムと
呼ばれるシステムは,お客様情報のフィードバックとして非常に参考になる
ものでした。このシステムの活用で,お客様が洗髪中にシャンプーとリンスを
間違えたとの指摘を元に,花王が最初に片方の容器にギザギザをつけ,さらに
業界にも反映させたといったエピソードもご紹介いただき,短い時間ではあり
ましたが,異業種見学会ならではのお話をしていただきました。

 なお,これまで「異業種交流会」という形で企画化してまいりましたが,昨今
では訪問先企業と交流の場が持てない状況であり,今回は「異業種見学会」とし
て開催いたしました。
 参加者のアンケートからもこの辺の指摘がありましたが,一方で,製造業,
サービス業への見学会実施の要望もいただいております。内容を精査し今後の
対応を決めたいと考えております。会員の皆様もご意見・ご要望がございまし
たら事務局までお知らせ下さい。


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●QMS戦略セミナー結果速報!
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今秋は約1ヶ月で3件のQMS戦略セミナーを開催し,延べ人数で114名の
方にご参加いただき誠にありがとうございました。以下に概要を記します。

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◆10/19 プロジェクトマネジメント実践のポイント
     〜成功のための世界的ノウハウ〜
   講師:日本アイ・ビー・エム株式会社 取締役専務執行役員 冨永 章氏
 
 今回は,プロジェクトマネジメント全般について,ややプロジェクトリスク
とプロジェクトスコープに重点をおいて,本流のプロジェクトマネジメントに
ついて,グローバルな視点でご講演をいただきました。
 参加いただいた皆様からは,「プロジェクトマネジメントの再整理ができた。
社内へ展開する意欲が高まった」,「リスクマネジメントの重要性を感じた」,
「業務につなげる点が多かった」,といったコメントがあり,講義内容をご理解
いただき多くの新たな気付きも与えられたものと確信しております。
 なお,講義後のフリートーキングでも4割の方が参加され,活発な意見交換
が行われました。

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◆10/31 バランススコアカードの基礎と活用[講義編]
     〜改善につなげるBSCの活用方法と注意すべき落とし穴 〜
   講師:横浜国立大学大学院 吉川 武男 教授

 今回は,バランススコアカードの基礎と導入の実態と陥りやすい問題点に
焦点をあてて,初級から中級向けの教育と致しました。参加者は吉川教授の
エネルギッシュなお話ぶりに引き込まれ,全員参加型の講義となりました。
 参加いただいた6割の方がバランススコアカードの講義は初めてでしたが,
皆様からは,「表面的ではなく重要な考え方などを学習できた」,「運用方法の
ポイントが理解できた」,「因果関係の構造的考察の重要性の再確認ができた」
など多くの好評なコメントがありました。
 こちらも講義後のフリートーキングでも3割強の方が参加され,活発な意見
交換が行われました。 

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◆11/ 9 バランススコアカードの基礎から構築まで[演習編]
     〜吉川教授の直接指導によるバランススコアカードの実践演習〜
   講師:横浜国立大学大学院 吉川 武男 教授

 今回は,バランススコアカード(BSC)の構築の7つのステップを体得して
いただくことを目的に1日コースの演習として設定いたしました。
 講義編を受講された25名の方が参加され,おさらいの後,5チームに分かれ
てケーススタディを行い,最後にグループ発表,吉川教授の講評,学生作成の
BSCの紹介,BSCの分析評価の概要を行いました。
 参加いただいた皆様からは,ほぼ全員がBSCの構築方法を理解いただけ,
「BSCの手順がよく理解できた」,「中計策定等に応用できる」,「構築のプロ
セスが明確になった」など多くのコメントを頂戴いたしました。
 なお,吉川教授のご厚意で,チーム発表評価結果より優勝チームに日本酒,
準優勝チームにワインが贈呈されました。
 終了後は優勝チームの厚意で,日本酒「横浜国大」がふるまわれ,吉川教授を
囲み和やかなうちに散会となりました。
   
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 いずれのセミナーも受講者の満足度は高く,企画側の我々と致しましても,
会員の皆様のご希望に添える活動をご提供できるようになってきたという自信
と喜びとともに,QMS委員会に対する期待の大きさも感じております。
 今後のQMS戦略セミナーにも乞うご期待下さい。

 皆様より頂戴したアンケート結果は,以下のURLからご覧いただけます。
    http://www.ciaj.or.jp/ciaj/qms/semi/semi.html


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●トレンド情報「TC176パナマ総会が開催されました」
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 2005年10月17日〜22日で,パナマにてISO/TC176総会が開催されました。
総会の主な内容を以下にご紹介致します。

 TC176は3つのサブコミッティー(SC)から構成されおり各SCにわかれて打合せ
がもたれました。

 主なテーマは
(1) SC1はISO 9000:2005(用語)
(2) SC2はISO 9001(QMS規格),ISO 9004(ガイドライン)
(3) SC3はISO 10019(監査),DIS 10014(経済性),CD 10003(外部紛争処理),
  CD 10001(行動規範),ISO 10005(品質計画)

などで,進捗と今後のあり方について参加各国の代表者が議論しました。

 今回の総会の焦点はなんといってもISO 9001とISO 9004です。
ISO 9001は追補修正,9004は改定してDesign Spec(どのように修正していく
かの方向を示すもの)が作成され,最近投票(9/30締切)にかけられ日本は賛成
票を投じ全体でも可決されました。

 これによりドラフト作成が本格的に開始されます。
特にISO 9004は日本の提案(TR0005,0006)がリファレンス文書として取り上げ
られることが決まっており継続的発展のための要素が盛り込まれることが期待
できます。その動向に注目していく必要があります。

 また,2007年のISO 14001の定期見直しをにらんで,環境ISO(TC207担当)と
の合同タスクグループが設置され今後のユーザー調査を行いながら進められる
予定です。
 企業としては各種のマネジメントシステム規格の統合化への一歩として期待
したいところです。

 ISO 9000:2005(用語)の発行は各国の賛成により発行(9/8)されました。
前回のアラルプール総会までのDIS(ドラフト)段階までは追補扱いでしたが
最終的に改定版として発行されました。

 急きょ改定版となった背景は
(1)“competence”(力量)の定義が監査規格であるISO 10019の定義と違いが
  生じているため
(2)“contract”(契約)の定義がISO10005で定義されたため取入れた
(3) 監査に関わる用語をISO 10019にあわせた
(4) 計測に関する用語をISO 10012(計測)にあわせた
ことによります。

 用語定義は規格解釈の基礎であり,ここがブレるといろいろな解釈が市場で
発生し混乱を招きます。
 また,用語の範囲も規格の取り扱う範囲が広がるにつれて増えていく傾向に
あります。そこで次期定期見直しでは用語の定義範囲を限定していくか拡張
していくかというポリシーについて議論されます。

◆その他の情報:

ISOのTMB(Technical Management Board)に、社会的責任(SR)ガイドラインを
作成するワーキンググループが設置され最近デザインスペックが作成・承認
されました。(ISO 26000  ガイドラインとして2008年発行目標です)
製品品質だけでなく情報管理、不具合対応、環境対応など企業への社会的責任
への要望が強くなってきたことは、昨今の企業の不祥事に対する社会の厳しい
姿勢をみればお分かりの通りです。
QMS関係者の皆さんも十分に配慮しなければなりません。

これらは環境・社会・財務側面から考えていかなければなりませんが、QMSと
しても“企業の社会的責任”(CSR)を企業防衛的視点だけでなく積極的に活用
する企業戦略視点からもとらえていきたいものです。


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●TL 9000コーナー「TL 9000/QuEST Forumの動向について」
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1. 来年6月末,TL 9000要求事項と測定法R4.0を発行予定(改版)

 クエストフォーラム内の作業グループにて改版作業中。来年6月末には
 要求事項と測定法の両方が,R4.0として発行される予定です。

2. QuEST Forum ベストプラクティス会議(BPC)関連

 米国サンノゼで9月13日〜14日に開催されたベストプラクティス会議は,
 13カ国,250人の参加がありました。ベストプラクティス会議の目的
 や講演題目は,Web公開されており,以下のURLからご覧いただけます。

      http://www.questforum.org/bpo/bp_events.htm

 品質に限らず,卓越したビジネス継続のための最新ツール,技術,手法に
 関する発表がされています。


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●研究分科会「分科会メンバーでケーススタディを試行しました」
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 研究分科会では,研究テーマの「経営に役立つQMS」のひとつの試みと
して,ケーススタディ(事例研究)を実施致しました。

 昨今,QMSの役割が,内部の品質管理から,グローバルな企業活動に
対応して,様々な視点で状況判断を行いマネジメントをするという形に広がり
を見せているという現状があります。
 このような現状を捉え,今伸びている企業の活動や考え方をテーマとして
ケーススタディを行い,QMSと経営戦略の連動性を知ることが企業の体質
強化のために必要であると考えます。

 QMS委員会の新たな企画として分科会メンバが実験台となり,11/16に
今回は山本フェローがチェアマンとなり,異業種交流会で訪問した花王株式
会社の情報化戦略(知の革新)をテーマに第1回目を試行致しました。

 このケーススタディの狙いは,答え探しではなくディスカッションを通じて
何らかの気付きを得ることです。ここで得た気付きは,QMSの有効活用の
ヒントになるのではと考えています。

ちなみに,今回参加したメンバーの気付きは以下の通りです。

 −参加者間のディスカッションはとても刺激的でした。私は品質部門です
  ので,無意識の内に自部門の責任範囲からだけQMSの有効活用について
  考えていました(QMSを中心にその外側に経営を見ていた)。しかし、
  ケーススタディによってまず全体(経営)から見ることで,経営上の課題
  についてどのようにQMSを用いて解決できるかということを考えること
  ができました。今まではQMSについて部分最適な考え方だったのでは
  ないかと感じました。

 −花王は,経営戦略の話,コストダウンの話,リスクマネジメントの話でも
  モデル企業として登場します。なぜ強いのかが少し分かった気がします。
  参加しての気付きを列挙してみます。
   ・戦略を持って情報を集めれば,有効活用できる。情報を商品の開発
    改良に活かせる土壌がある(集めるだけではカオス化するだけ)。
   ・あらゆる情報をつないでいるIT戦略は花王の知であり財産である。
    インフラを開発する力は実は凄い。
   ・ブランド戦略に成功すると,ブランドだけで売れる。
    ブランドを保つだけの凄い技術開発力があるし,自信もある。
   ・ISO9001の要求である,顧客満足度,内部コミュニケーション,
    目標展開,データ分析などが,経営戦略とうまく融合されている。
  ナレッジマネジメントと言ってしまえば一言ですが,そうとうに深く考え
  抜かれた経営基盤のもとで会社運営されていると感じました。
  そうでなければ,25期連続増益なんて出来る訳ありませんから。

 −花王がなぜトップブランド商品を提供し続けられるのか,そして消費者の
  支持を維持できるのか。漠然とした思いは,今回「知」という切り口でデ
  ィスカッションして納得できました。消費者センターに届いた苦情や問い
  合わせなどの情報は翌日には全社員がイントラネットで閲覧できるそうで
  す。積極的な情報収集と徹底活用,そして発信活動によって消費者の心を
  掴んでいたんですね。自宅の台所やお風呂場を見回したら「月のマーク」
  の多さに改めて感心しちゃいました。

 −情報が溢れるとカオス(混沌)になる話がでました。
  情報共有と情報セキュリティ確保のジレンマの克服と同様に,この点,ケ
  ースの花王では,自社で,「知」に関し,5つに分類(知,知る,知らせる,
  知を蓄積する,知を利用する)しており,情報収集だけでなく情報分類が
  重要であることを再認識しました。イノベーションは,リニア型イノベー
  ションと非リニア型イノベーション,市場要求は,顧客直接の生の声と
  メガトレンドと分類しておくと「分かる」気がします。  

 研究分科会では,今回の結果を踏まえて,QMS委員会の企画化に向けての
検討を行います。メルマガをご覧の皆様におかれましてもご意見やご要望が
あればお知らせ下さい。
 また,是非参加してみたいという方は事務局宛、ご連絡をお待ちしておりま
す。


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●編集後記
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少し前に,野球のアジア大会が行なわれていたことを思い出してみると,
ロッテの強さは本物だな〜と改めて感心した。

リーグ優勝した時,ロッテって今年は強いなとは思っていたが,日本シリーズ
のあの点の取り方を見ていると,昨年と今年は何が違うんだ…と思った。
選手に勢いがあるし,みんなの顔つきも生き生きしている。

昨年と選手自体は変わらないのだが,やはり監督が変わったからかな…。
マネジメントって言葉は簡単だけど,人の能力を最大限に生かすってことは
そうやすやす出来るものじゃない。

会社でも,簡単に「この人駄目」ってレッテルを貼るけど,実は,潜在能力は
あっても会社の波長とあっていないために,開花されないということもあると
思いました。

それにしても!
ボビーマジック すごい!
千葉県民としては,純粋に嬉しいぞぉ〜!!
もちろん,パレード見に行きました!

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──「QMSを経営に生かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:情報通信ネットワーク産業協会 QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/ciaj/qmst/(QMS会員専用)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕)
* 皆様のご意見・ご要望をどしどしお寄せください!
 qmsmelg@ciaj.or.jp
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