CIAJ画像情報ファクシミリ委員会では、2020年度より国内でのファクシミリ利用調査を行っておりますが、この度、海外市場調査にも目を向け、米国での調査を行いました。
米国は国別において多くのファクス機を購入している国であり、その利用方法や用途などを調査することとしました。
その結果、日本では6割の方が日常の業務フローの中で利用されているファクシミリ(以下ファクス)ですが、米国でも7割の方がファクスを利用されているとの調査結果となりました。
また、利用率、使用頻度、使う理由などでは、日本とは違った傾向が見受けられました。
海外においても継続してファクシミリを活用頂けるよう努めてまいります。
1. 調査概要
米国の20~69歳の男女有職者約1,900人に対し、複数回答を含む形式で2023年2月に実施しました。
2. 調査結果
(1) ファクスの利用状況
<7割が利用>
文書や画像を送受信する業務においてファクス利用されている方は、69.0%でした。この69.0%の方の全てが、固定電話のファクシミリ通信を使用しているものか否かは不明ですが、次ページの『ファクスの回線のつなぎ方は…』の結果を参考した考察が必要です。
(2) ファクスの接続形態
<インターネットFAXも多い>
業務で、複合機/ファクス専用機(ビジネス機)を使用している方に、接続している回線のつなぎ方を聞いてみました。
電話回線は、約半数となり、社内LAN、インターネットのネットワーク利用が多く、音声ファクスの利用ではなく、 インターネットファクスや、スキャンToメール等を利用されている事が伺えます。
(3) ファクスの使用頻度
<約9割が週1回利用>
1回/日以上の使用は、送受信共に6割以上となり、1回/週以上に広げると、約9割となりました。
業務でファクスを使用している方は、日常的にご利用されている事がうかがえる結果となりました。
(4) ファクスを使い続ける理由
<確実に届くから>
「確実に…」が1番となり、「文書をそのまま…」「簡単に…」のような機能的、操作的なお手軽さよりも、確実性という項目が評価され重要視されている事がうかがえます。
ファクスの特性や利点を十分に理解しているから、利用を続けている理由だと思われます。
3. 調査を終えて
米国では、まだ7割の方がファクスを業務で使用していることが判り、詳細結果を分析すると、原稿をスキャンしたり、印刷して利用したりと、紙ベースでのワークフローとなっていることが判明しました。
また、受信時はOCRを行いサーバ転送の利用も進んでいる事が分かりました。しかもファクスを使用する理由が「確実に相手に届く」という点が重要視されているということも分かりました。
日本とは少し傾向が異なる結果となり、今後画像情報ファクシミリ委員会では、他の国についても調査アンケートの実施を行う予定です。
調査報告書【概要版】ダウンロード:
PDF:541KB
調査報告書【詳細版】:
CIAJ画像情報ファクシミリ委員会のホームページに掲載しています。
https://www.ciaj.or.jp/gazou/index.html#230913