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2017年度第1四半期(4~6月) 通信機械生産・輸出入概況 ~国内生産は内需主導の影響で回復傾向、輸出は海外景気不透明感から企業の投資や生産部品で減少~

2017年9月20日

一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)では、このたび、2017年度(4-6月)の通信機械生産・輸出入の概況をまとめました。
2017年度の日本経済は、内閣府が9月8日発表した2017年4-6月期のGDP成長率(季節調整済前期比)は 2次速報値において年率換算でプラス2.5%と、四半期で6期連続のプラス成長となりました。個人消費や住宅投資が堅調を維持していますが、中国向け電子部品等の減少が寄与した輸出が落ち込んでおり、輸出主導から内需主導の経済成長になりつつあります。
その中で、通信機器市場は、海外現地生産が継続しつつも、国内需要が低迷した2016年度上期との対比では国内生産は回復傾向にあり、前年同期比では2016年度第4四半期から2期連続してプラスとなりました。輸出は、中国系スマートフォン企業の生産調整による影響を受けて部品の需要減もあり、前年同期比では6期連続して減少しました。輸入は、国内需要が回復しつつあることから、すべての機種が前年同期比で増加しています。

I.国内生産動向 (経済産業省「生産動態統計調査」からCIAJにて纏め)

(1)2017年度第1四半期の実績

国内生産金額は、1,229億円となり前年同期比4.4%増となりました。国内景気の回復傾向により、携帯電話や無線ネットワーク設備投資に関連する機種が好調でした。

(2)機種別動向

機種別の実績は以下の通りです。

①有線端末機器
135億円(前年同期比18.2%減)。うち電話機7億円(同24.5%減)、ボタン電話装置50億円(同34.8%減)、インターホン75億円(同1.1%減)、ファクシミリ3億円(同7.5%減)となりました。ボタン電話は、2016年度のリプレイス需要が一段落したことから、2015年度第1四半期と同水準の需要に戻りました。

②移動体端末機器
439億円(前年同期比21.8%増)。うち携帯電話353億円(同34.0%増)、公衆用PHS端末4億円(同123.9%増)となりました。携帯電話は、2016年度第1四半期の端末価格ガイドライン施策などによる需要減少から回復して大きく増加しました。

③有線ネットワーク関連機器
289億円(前年同期比9.9%減)。うち局用交換機11億円(同56.4%減)、構内用交換機29億円(同16.7%減)、デジタル伝送装置98億円(同11.3%減)、その他の搬送装置141億円(同2.1%増)となりました。交換機は、PSTNマイグレーションによる局用交換機の減少だけではなく、企業向けの構内用交換機も2015年度のリプレイス需要のあと減少傾向が継続しています。ボタン電話や構内交換機では、ホテルやオフィスビル開発の新規需要が見込まれますが、システムの小型化傾向で単価ダウンするために、減少傾向にあります。

④無線ネットワーク関連機器
216億円(前年同期比5.2%増)。うち固定通信装置56億円(同23.7%減)、基地局通信装置160億円(同21.2%増)。基地局通信装置は、トラフィック増に対する設備増強により増加しました。

⑤ネットワーク接続機器
82億円(前年同期比38.5%増)。ネットワーク関連の需要が好調なため、需要が低迷した前年同期との対比で大きく増加しましたが、金額面では2015年度第1四半期と同程度になっています。

⑥有線部品(有線機器用リレー、中継器用など)
68億円(前年同期比2.4%増)。国内での携帯電話生産の増加に加えて、米韓大手スマートフォン企業向けなどのハイエンド端末用部品が好調なため、3期連続で増加しました。

図表1:2016年度の生産総額(四半期別)
図表はクリックすると拡大表示されます

II.輸出動向 (財務省「貿易統計」からCIAJにて纏め)

(1)2017年度第1四半期の実績

輸出総額は983億円(前年同期比10.4%減)となり、同比では2015年度第4四半期から6期連続して減少しました。電話機及び端末機器は、携帯電話が国内生産の増加とともに輸出も増加しました。ネットワーク関連機器は、基地局が国内での需要増に対して輸出が減少しています。データ通信機器は過去の第1四半期とほぼ同水準で推移しています。部品は、米韓大手スマートフォン企業向けなどのハイエンド端末用部品が好調ですが、中国スマートフォン市場の生産調整や競争激化による影響を大きく受け、輸出は減少しました。

(2)機種別動向

機種別の実績は以下の通りです。

①電話機及び端末機器22億円(前年同期比64.2%増)
内訳は、携帯電話14億円(同147.7%増)、ファクシミリ0.1億円(同82.5%減)、コードレスホン1億円(同54.7%増)、その他7億円(同7.5%増)

②ネットワーク関連機器361億円(同6.8%減)
内訳は、基地局21億円(同45.4%減)、データ通信機器326億円(同3.1%減)、その他ネットワーク関連機器15億円(同9.0%増)

③部品(有線系・無線系の合計)600億円(同13.8%減)

図表2:輸出動向(機種別)
図表はクリックすると拡大表示されます

(3)地域別実績

アジア向けが692億円(前年同期比12.5%減)、うち中国向けは321億円(同33.9%減)。北米向けが156億円(同2.5%減)、うち米国は153億円(同2.1%減)。欧州98億円(同2.9%減)、うちEU 88億円(同5.1%減)。中国向け部品は、2015年度に部品全体の70.5%、前年同期は63.1%を占めていましたが、この第1四半期には44.3%まで減少しており、中国でのスマートフォンの生産調整や、中国以外のアジアへのスマートフォン生産シフトが影響しています。また、北米向けの部品も増加傾向にあります。

(4)地域別構成比

1位 アジア 70.4% (前年同期比 -1.7%)
2位 北米 15.9% (同 +1.3%)
3位 欧州 10.0% (同 +0.8%)
その他地域 3.7% (同 -0.4%)
図表3:輸出動向(地域別)
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III.輸入動向 (財務省「貿易統計」からCIAJにて纏め)

(1)2017年度第1四半期の実績

輸入総額は5,827億円(前年同期比12.9%増)となり、同比では2016年度第3四半期から3期連続して増加しました。輸入全体の58%を占める携帯電話が、国内需要が回復したことにより増加しました。基地局は、国内での需要増に合わせ、金額は小さいものの2016年度第1四半期から5期連続して増加しました。

(2)機種別動向

機種別の実績は以下の通りです。

①電話機及び端末機器3,399億円(前年同期比4.1%増)
内訳は、携帯電話3,354億円(同4.0%増)、ファクシミリ14億円(同30.5%増)、コードレスホン14億円(同13.0%増)、その他17億円(同0.8%増)。

②ネットワーク関連機器1,645億円(同27.4%増)
内訳は、基地局88億円(同100.6%増)、データ通信機器1,506億円(同24.6%増)、その他ネットワーク関連機器51億円(同31.6%増)。

③部品(有線機器と無線機器用部品の合計)783億円(同29.2%増)

図表4:輸入動向(機種別)
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(3)地域別実績

アジアからが5,474億円(同13.5%増)、うち中国は4,064億円(同1.0%増)。北米からは181億円(同5.4%増)、うち米国177億円(同6.7%増)。欧州からは85億円(同8.6%増)、うちEU 82億円(同7.0%増)。

(4)地域別構成比

1位 アジア 93.9% (前年同期比 +0.4%)
2位 北米 3.1% (同 -0.2%)
3位 欧州 1.5% (同 ±0%)
その他地域 1.5% (同 -0.2%)
図表5:輸入動向(地域別)
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IV.受注・出荷動向(CIAJ自主統計「受注・出荷統計」より)

2017年度第1四半期のCIAJ自主統計受注・出荷総額は4,068億円で、前年同期比1.2%増となりました。電話機、その他の電話応用装置、ファクシミリ/ファクシミリ複合機、携帯電話/スマートフォン、光伝送装置、通信機器用部品が同比で上回りました。
国内出荷は3,166億円の前年同期比1.9%増、輸出が902億円の同比1.1%減となりました。

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