「CIAJ画像情報ファクシミリ委員会」では、2020年度から日本国内のファクスの利用調査を行っており、この度2023年度の調査結果が纏まりました。
今回の調査でも、ファクスはまだ4割の方に利用されていました。
昨年度に比べ、「日常的に使用」+「たまに使用」が、2.6%低下しています。利用率は年々低下し、20年度の調査から3年で9.6%(49.7→40.1)低下しました。また、使用したことがない」は、3年で8.2%増加(32.7→40.9)しており、業務の中でのファクスの利用が少なくなっているようです。一方、業務の中で、「送受信業務がない」方を除いた場合、約55%(22年度=約60%)の方がファクスを利用され、通信手段の1つとして利用されていることはうかがえます。
CIAJでは、今後ともファクスを利用して下さる方が、より便利にご活用頂けるよう、情報発信などを進めてまいります。
1. 調査概要
国内調査
第1回(2021年1月)、第2回(2022年2月)、第3回(2023年1月)に続き2024年1月に4回目のアンケートを実施し、全国の20~69歳の男女有職者約4000人に対し、複数回答を含む形式で行いました。
また、継続したアンケート活動になるよう心掛けて調査項目を決定し、【基礎調査=16項目、本調査=20項目】の調査を実施しました。
2. 調査結果
4割がファクスを利用
40.1%の方が、業務の中で通信手段として利用されています。昨年度に比べ、「日常的に使用」+「たまに使用」が、2.6%低下しています。利用率は年々低下し、20年度の調査から3年で9.6%(49.7→40.1)低下しました。また、使用したことがない」は、3年で8.2%増加(32.7→40.9)しており、業務の中でのファクスの利用が少なくなっているようです。一方、業務の中で、「送受信業務がない」方を除いた場合、約55%(22年度=約60%)の方がファクスを利用され、通信手段の1つとして利用されていることはうかがえます。
- あなたはお勤め先で文書や画像を送ったり受けたりするためにファクス(ファクシミリ)を使用していますか?
-
過去4回の使用有無についての遷移
※使用している=日常的に使用+たまに使用
業種別のファクスの使用有無(単位=%)は以下の表のとおり。
使用しているファクスの種類は…
カラー複合機(約7割)が大きな割合を占め、端末機器が上位を占めています。
2020年度と比較すると、機器を使用しない利用方法が増加しています。
「コンビニエンスストアのファクス利用」 | 1.9% → 4.7% (23年度=3.8%) |
「スマートフォン等からのファクスサービス」 | 2.9% → 7.4% (23年度=7.2%) |
- 「あなたがお勤め先で使用しているファクスはどのような機種ですか?」に対する回答(複数回答可)
- 「あなたはファクスに代わりに、どのような通信手段を使用していますか?」の回答(複数回答可)
※以前ファクスを使用し、現在は使用していない人
便利な点は…
今回も、「簡単に送受信できる」が、57.5%で、他の項目に対して約1.5倍の結果となり、利用されている方にとって、変わらない操作で気軽に利用出来る通信手段のようです。
2020年度と比較すると、「手書き原稿を…」(↑)と、「…すぐに出力される」(↓)が逆転し、送信利用に利点を感じている方が増えているようにうかがえます。パソコンが共用で利用され、紙を使用している職場等では、簡単な業務フローとしての利用が可能です。
受信原稿の利用方法は…
「印刷して利用」が58.6%になっており、印刷する方が圧倒的に多い結果となりました。
「受信はあまりしない」という割合を除いて計算してみると、印刷=77%、転送=38%となり、計算上は、約8割の方が印刷利用されています。
- ファクスの受信原稿の利用方法は?」の回答(複数回答可)
※2023年度が初の設問 -
母数が少ないですが、「受信はあまりしない」という割合を除いて計算してみると、業種/職種の傾向は以下の図のようになりました。(青=上位、赤=下位)
電子帳簿保存法の改訂で…
改正電子帳簿保存法数が施行された2022年から2年間の宥恕期間(猶予期間)を経て、2024年1月1日から電子取引データの保存が完全義務化された件についての設問です。
収集できた母数がとても少ないですが、35.3%が、何らかの方法に「変更した」となりました。「分からない」を除くと、48.6%となり、半数の方が法改正による対応をしたようです。
3. ファクシミリ利用状況アンケートを終えて
第1回(2021年1月)のアンケートから3年が経過し、2024年1月に4回目のアンケートを実施致しました。 継続したアンケート活動になるよう心掛けながら調査項目を決定し、【基礎調査=16項目、本調査=20項目】の調査を実施致しました。
ファクスの利用は徐々に減少していますが、まだ4割の方に利用されていることが分かりました。以前ファクスを使用していた方が移行した通信手段は、多種多様な通信手段に移行されていること、ファクスを使用する場合に、コンビニエンスストアのファクス利用や、パソコンやタブレットのファクスサービスなど、使用手段に広がりが出ている事が分かりました。
この他のアンケート結果については、CIAJの委員会ホームページで掲載予定となっておりますので、結果を見ていただいて、利用状況の分析、考察、使用方法の想定等に役立てていただければと思います。
ファクスのデータは、業務フローの中で電子データとして組み込む事が可能です。現在もファクスを使用していただいてる方たちに対して、業務がより便利に、より簡単に、利用して頂けるよう、手軽で便利な認知度が低い機能等、お役に立てるような情報を発信するようにしていきたいと思います。
◆本調査結果の全文(CIAJ画像情報ファクシミリ委員会のホームぺージへ)
⇒https://www.ciaj.or.jp/gazou/index.html#240819